前回は、武論尊先生に“デビューのころ”についてお話しいただきました。その際、ペンネームの由来についてお聞きし忘れていたので、 今回改めてお話しいただきます。 また、今回は先生に同行して北海道に参りましたので、“北海道”にまつわるお話もお聞きいたしました。

(取材日/2003.9.8 北海道.静内 牧場「ビッグレッドファーム」ゲストルームにて)

●ペンネーム「武論尊」の由来を教えてください

チャールズ・ブロンソン。
本宮プロで居候やってるころに、『さらば友よ』という映画があって、
(主演のブロンソンが)かっこいいなって感じのときに、
自分から言い出したのか、誰かが言ったのか…、
ブロンソンに似ていると。
まっ、言わしたんだろうな(笑)。

(言ったのは)本宮プロのスタッフ。
それでいつの間にか、ニックネームがブロンソン。
それからブーちゃんになって…、
で、デビューするときにペンネームどうするかってことで、
じゃあ、そのニックネームを漢字で当てはめちゃえって、
それで「武論尊」。それが由来。

デビューして(原作者として)そんなにもつとは思ってなかったからさ、
まあ、なんでもいいやって感じで「武論尊」って付けちゃってるから、
あとでけっこう恥ずかしい思いしてるけどね。
みんな、「武論尊」て言うとギョッとするもんなぁ。
中国人に間違えられたりとかして…。
しばらく勘違いしてたんじゃない。
みんな、どう読んだらいいのかって、
「たけさん」ですかとか…。
単純にニックネームを漢字に当てはめただけなのに。

こないだ、ブロンソンが死んだでしょ。
それでスポーツ紙からコメントくださいって来て、
どう思われますかって言われて(笑)、
81歳だもんなぁ、ブロンソンが。
やっぱりきついよなぁ、年の流れは残酷だよな。

『さらば友よ』。
あれ、ちょうど35年ぐらい前の映画だから、
(そのとき既に)もう46になってんだよ、ブロンソンがね。
ものすごい遅いデビューっていうか、ヒット作だよな。
その前、『荒野の七人』や『大脱走』出てたろ。
あのとき、まだぜんぜんちょい役だったもんな。
まあ、いい役はいい役だけど。

そんな50近いオッサンをかっこいいと思ってたのはすごいよな。
かっこよかったしな、確かにな…。
多分、(みんなに)言わしたんだろうな、俺な(笑)。

【編集メモ】

*「チャールズ・ブロンソン」60年代、70年代に活躍した個性派映画俳優。日本では「う〜ん、マンダム」のコマーシャルでも有名。2003年8月30日死去。
*『さらば友よ』1968(S43)年 フランス この作品でブロンソンは、フランスが生んだ二枚目スター、アラン・ドロンと共演し国際的スターとなった。
*『荒野の七人』1960(S35)年 アメリカ 黒澤明監督の『七人の侍』をジョン・スタージェス監督が西部劇化した作品。
*『大脱走』1963(S38)年 アメリカ ジョン・スタージェス監督

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