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プロとして活躍しているマンガ家さんたちもかつては新人さんだった(あたりまえだけど)。新人のマンガ家さんにとってデビューは良きにつけ悪しきにつけ、忘れられないターニング・ポイント。このコーナーでは、マンガ家さんのデビューの頃の話を質問形式で語ってもらいます。
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【第11回目のゲスト/はっとりみつる先生】
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【はっとりみつる先生への30の質問】
- デビューはいつ頃ですか?
2000年4月
- デビュー作のタイトルは?
『イヌっネコっジャンプ!』
- デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
謎の女子高生が、元陸上部の大学生(主人公)を振り回したりする宇宙と陸上をテーマにしたラブ(?)コメディ
- デビュー作でもっとも描きたかったことは?
なんだろ…。子供の頃のバカな夢を未だに持ってたり、忘れてたりしてるヤツらの終わ らない夢のつづき…とか?
あ、単純に気持ちいい絵(シーン)が描きたかったのかも
- デビューした雑誌は?
ヤングマガジン アッパーズ
- どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
受賞作でのキャラを使って、新たに作り直した作品で連載デビュー
- デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
ちゃんとした漫画を描き始めてからだと4年ぐらい
- またそれは何作目ぐらいでしたか?
ちっこいの合わせて12作目ぐらい?
- そのころの本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
派遣会社員でプログラミングみたいなことやってたけど、多少貯金ができたので(漫画に集中する為に)仕事やめた。それから3ヶ月ほどして担当さんがついた。んで、そこからデビューするまでの1年4ヶ月の間は無職。新人賞の賞金以外の収入がなかったので金銭的にかなりギリギリだった
- そのころは本気でマンガ家を目指していましたか?
漫画家になりたいとは思ってたけど本当になれるかは自分の中で疑問だった。すごく遠い夢みたいな。んであまりに周りの評価というものを意識してしまってて、なんか描くのが苦痛になったので一度諦めた。
でも諦めたら気が楽になって逆にいっぱい漫画が描けるようになった。折角だからその描いた漫画を持ち込んだりしてるうちにイケる気がしてきて本気で目指すようになった
- もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
んー…たぶん親に言われて公務員になってたハズ
- マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
喜んでくれた
- 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
芦奈野ひとしさん、大友克洋さん
- そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?
魅せる絵(シーン)を描くところとか
- デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
生活費やら画材代やらアシスタント代やら
- デビューが決まった時の感想は?
え〜! あの作品でホントに連載してくの〜!?
- デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
本当に載ってるよ……もう後戻りできないんだな…………。あんま面白そうに見えない……。それにしても印刷されると元の原稿よりずいぶん線太く出るんだなぁ…
- デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
独りよがりなことしてちゃダメってことにデビューしてから気づいた(遅っ!)
- デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
隔週誌だからだいた2週間に1回
- その頃編集者との打ち合わせでためになったことは?
色々捻りつつも「お約束」はすごく大切にすること…とか、サービス精神(エロに限らず)とか。色々いっぱい
- 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
お互いの意見がぶつかった時の折り合いのつけ方とか?
- 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
自分が編集部に行ってそこで小一時間打ち合わせ。そのあと食事に出かけて、酒飲みながらさっきの続きをやったりやらなかったり
- 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
フツーこの年齢じゃまだムリだろ!っていうレベルのお店に連れて行ってくれたり。あとはケンカしたこととか
- デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
先にデビュー、連載してる友人・知人がいたので負けちゃいられないなぁ…と。でもそんな語り合ったりはしなかった
- デビューの頃、マンガ家として成長していくために特になにかしたこと、勉強したことなどはありますか?
特に意識しては何も。強いて言うなら図書館や本屋で色んな画集、写真集を見てた
- デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだことなどはありますか?
今まで好き勝手やってたのでプロの世界というのがやたらと窮屈に感じて辛かったり。あと、未だによくあるけど何が面白いのかわからなくなったり
- デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
60点。甘いか
- またその理由は?
悪い部分を書き始めるとキリがないので、良かった部分をひとつ。「自分はコメディが結構得意だったんだ」ってことに気づかせてくれた。これは大きかった。今までは地味〜な作品を多く描いていたので…
- マンガ家としてデビューするために必要なことはなんだと思いますか?
コンスタントに作品を仕上げて持ち込みできる力。編集さんにくらいつける度胸とか負けん気とか、ガムシャラ度を高く(?)
あと自分の武器をひとつ見つけて、それを伸ばすこととか。(キャラの表情、躍動感のある絵、台詞の言い回し、フツーじゃだれもやらんようなアホな発想、など何でもいいからひとつ)
- これからマンガ家を目指す人達になにか一言
気変にこりかたまりすぎない様にがむしゃらにがんばって下さい。
あとこういう人いるけど、漫画技法書とか、人からの意見とか、何でも鵜呑みしすぎに注意。
いざとなったら一度、漫画家を諦めるのも手かも!?
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1977年10月8日生まれ。三重県出身。高校卒業後上京し、漫画関連の専門学校に入学。専門学校卒業後、一時派遣会社に入社するが漫画に専念するために半年ほどで退職。
1999年、講談社「ヤングマガジンアッパーズ」第3回新人賞で『コレカラモ ツヅクオンガク』で入選。
翌2000年4月、ヤングマガジンアッパーズ誌にて『イヌっネコっジャンプ!』で初掲載初連載デビューを飾る。新人賞受賞作の瑞々しいキャラクターを生かして装いも新たに作られたこの青春コメディーは、アッパーズ読者の人気を得て2001年の12月まで連載された。
2002年4月には同アッパーズ誌にて第2作目、女子高生と物の怪とお色気が織りなすコミカルファンタジー『おとぎのまちのれな』を連載開始。女子高生主人公れなの発情パワー全開で、ただいま絶好調!のヒット作だ。(コミックス最新刊第4巻が11月7日に発売したばかりです)
『おとぎのまちのれな』の連載開始時からは、それまでの手描きからコンピュータでの画像処理をメインに漫画制作を進めている。今回の特別企画『アトリエはみ』ではその作業風景もはっとり先生のコメント入りで一部紹介されています。
はっとり氏のHP
「STUDIO はみ」アドレス
http://www.studio-hami.net/
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