プロとして活躍しているマンガ家さんたちもかつては新人さんだった(あたりまえだけど)。新人のマンガ家さんにとってデビューは良きにつけ悪しきにつけ、忘れられないターニング・ポイント。このコーナーでは、マンガ家さんのデビューの頃の話を質問形式で語ってもらいます。
【第26回目のゲスト/池上遼一先生】
【池上遼一先生への30の質問】
  • デビューはいつ頃ですか?
    1962年。17歳頃

  • デビュー作のタイトルは?
    『魔剣小太刀』

  • デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
    剣の奥儀の伝授をめぐる門弟同士の戦い

  • デビュー作でもっとも描きたかった事は?
    男の意地のむなしさ

  • デビューした雑誌は?
    貸本漫画単行本『魔像』

  • どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
    持ち込み

  • デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
    1年くらい

  • またそれは何作目ぐらいでしたか?
    初めて形として作品にしたもの

  • そのころの本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
    看板屋店員

  • そのころは本気でマンガ家を目指していましたか?
    本気

  • もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
    考えてはいなかった

  • マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
    励ましてくれた

  • 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
    さいとうたかを先生

  • そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?
    手塚タッチではない強弱のある都会的なペンタッチと
    スピーディーなストーリー


  • デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
    1ページ100円で合計3000円。使途は忘れました

  • デビューが決まった時の感想は?
    夢への第一歩が実現した事の満足感

  • デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
    印刷されてみると自分の絵が思ったより魅力がない事に気付いた

  • デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
    かなりの努力をしないと漫画家にはなれないという現実を知った

  • デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
    内容の打ち合わせはまったくしていない

  • その頃編集者との打ち合わせでためになった事は?
    才能があると誉められて自信を持った事

  • 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
    なし

  • 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
    好きなものを描けというだけでした

  • 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
    上京して雑誌デビューした頃、初めて寿司という食べ物を御馳走していただいた

  • デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
    本宮ひろ志さん、永井豪さん、山上たつひこさん

  • デビューの頃、マンガ家として成長していくために特になにかした事、勉強した事などはありますか?
    読書、映画、芝居鑑賞

  • デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだ事などはありますか?
    明るい作品を望まれているにもかかわらず、作品が暗くなってしまう事

  • デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
    50点

  • またその理由は?
    絵柄などに、人真似が目立ち自分の目指す絵になっていなかった

  • マンガ家としてデビューするために必要な事はなんだと思いますか?
    自分が一番好きな世界をとにかく形にしてみる事

  • これからマンガ家を目指す人達になにか一言
    漫画以外にオタクと言われるほどの専門的知識を持つ事かな?
 1944年生まれ。福井県出身。
 1962年、貸本漫画『魔像』において『魔剣小太刀』でデビュー。以後40年を越える漫画家生活の中で、数々の名作を圧倒的な画力で描き続けてきた。その魅力的な筆致は、多くの漫画原作者のイマジネーションを刺激し、雁屋哲先生、工藤かずや先生、小池一夫先生ら第一級の原作者らが何度もコンビを重ねている。
 ここ10年以上は、当サイトのコラムでもお馴染みの史村翔=武論尊先生とのコンビ作品を小学館のビッグコミックスペリオールにて発表し続けている。現在連載中の『覇-LORD-』は、日本人が劉備玄徳に成り代わるという掟破りの“超”三国志物で、池上遼一&武論尊コンビ連載作としては第5作目になる。
 また、最近のオリジナル作品の連載として、獣人として生きる宿命を背負わされた剣士を描いたエロスとバイオレンスの伝奇ロマン、『ベステイア 流月抄 完全版』を講談社のアッパーズ、モーニング2誌において移籍連載している。(アッパーズ休刊にともなう事情により)
 60歳を超え、今なお飽く事を知らぬ“絵”への情熱で描き続ける池上先生には、日本だけでなく海外にも多くのファンがいる事はよく知られている。


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