プロとして活躍しているマンガ家さんたちもかつては新人さんだった(あたりまえだけど)。新人のマンガ家さんにとってデビューは良きにつけ悪しきにつけ、忘れられないターニング・ポイント。このコーナーでは、マンガ家さんのデビューの頃の話を質問形式で語ってもらいます。
【第19回目のゲスト/一條裕子先生】
【一條裕子先生への30の質問】
  • デビューはいつ頃ですか?
    1992年

  • デビュー作のタイトルは?
    『不自由日記』

  • デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
    1994年から『スピリッツ』で描いていた『わさび』の前身というか、そのままで、「ヘンな一家」のギャグです

  • デビュー作でもっとも描きたかった事は?
    「これって、面白くないですか?」ということ。ギャグ漫画を描くのは、初めてだったので

  • デビューした雑誌は?
    『ヤングジャンプ』

  • どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
    持込み作品を新人賞に応募

  • デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
    3年くらいだと思います。「漫画家になる」と言って何も描いてない期間は、もっと長かったです

  • またそれは何作目ぐらいでしたか?
    忘れました。10本か20本か。ギャグの前は少女漫画の "ようなもの" を描いていて、箸にも棒にも掛からない状態でした

  • そのころの本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
    アルバイト、または無職

  • そのころは本気でマンガ家を目指していましたか?
    多分無理だと思いながら、冗談ではなかったと思います

  • もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
    考えていませんでした。多分、諦めてから考えるつもりだったのだろうと思います

  • マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
    普通に喜んでもらえました

  • 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
    特にいませんでした

  • そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?


  • デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
    生活

  • デビューが決まった時の感想は?
    「ひゃっほーい」

  • デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
    「なるほど」または、「絵がヘタ」

  • デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
    特にないです

  • デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
    勝手に原稿を描いてしまうので、ネームを詰めるというようなことはあまりしなかったです

  • その頃編集者との打ち合わせでためになった事は?
    自分の漫画を読む人を、生で見られたこと

  • 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
    特にないです

  • 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
    週に 1回、お稽古事のように通ってました

  • 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
    漫画を描くことについての話ではなかったのですが、「何でも楽しんでしまえばいい」と言って下さった編集の方がいて、いい言葉をいただけたと思っています

  • デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
    親しくしている同業の方はいませんでした

  • デビューの頃、マンガ家として成長していくために特になにかした事、勉強した事などはありますか?
    「描くこと」以外に、特には

  • デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだ事などはありますか?
    特には。悩みは、デビュー後何年もしてからやってきました

  • デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
    採点不能

  • またその理由は?
    自己採点は、どんな採点にせよ、不当なものになる気がするので

  • マンガ家としてデビューするために必要な事はなんだと思いますか?
    あらゆる意味で、「運」

  • これからマンガ家を目指す人達になにか一言
    色んな意味で、「道は一つじゃない」。
    どうか、幸運の落ちている道を見つけられますように
 1967年4月14日、宮城県生まれ。
武蔵野美術大学短期大学グラフィック・ デザイン科を卒業。アシスタントを経て1992年にデビュー。『わさび』(全4巻・小学館)『2組のお友達』(全2巻・小学館)『犬遊び』(小学館)『必ずお読み下さい』(マガジンハウス)などで渋い笑いを誘う。また、「和風」の絵柄の味わいには定評があり、笑いなしで挿絵を描いた『思ひ出の記』('93年・ヒヨコ舎)では千代紙を使った切り絵を見せるなど器用なところも見せた。
 隣人のおばさんのいたずらとも圧力ともとれる曖昧なかかわり方に悩まされる若妻の混乱を描いた『蔵野夫人』(月刊アフタヌーンで連載)に、描き下ろしを加えて'93年12月に単行本化した『すてきな奥さん』(フリースタイル)が最新刊。ちなみに『自転車旅行に出かける本』(アテネ書房)は、同姓同名の他人の著書。別に間違ってもいいが、漫画家・一條裕子氏の芸風を期待する人には不向きかもしれない。
 
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