プロとして活躍しているマンガ家さんたちもかつては新人さんだった(あたりまえだけど)。新人のマンガ家さんにとってデビューは良きにつけ悪しきにつけ、忘れられないターニング・ポイント。このコーナーでは、マンガ家さんのデビューの頃の話を質問形式で語ってもらいます。
【第54回目のゲスト/川島れいこ】
【川島れいこ先生への30の質問】
  • デビューはいつ頃ですか?
    誌面での正式デビューは19歳ですが、同人誌や投稿作は13歳の時から描いていました

  • デビュー作のタイトルは?
    『女の子だもん』

  • デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
    外見は女の子っぽいけど、内面は男の子っぽく、男友達しかいない主人公が、
    ある日突然恋に目覚めていく学園コメディ

  • デビュー作でもっとも描きたかった事は?
    恋でも仕事でも勉強でも、一生懸命努力をすればいつか実を結ぶ…ということ

  • デビューした雑誌は?
    週刊マーガレット(集英社)

  • どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
    漫画スクール・入選作

  • デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
    6年目

  • またそれは何作目ぐらいでしたか?
    30作目…ぐらい

  • その頃の本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
    漫画家のアシスタント

  • その頃は本気でマンガ家を目指していましたか?
    漫画家以外考えていませんでした

  • もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
    童話作家(自分で挿絵も描いて…)

  • マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
    高校時代に講談社の「なかよし」で佳作をいただいきました。
    (掲載はされませんでしたが…)
    受験校でしたので、進学しないで漫画家になる…と言ったら、両親と教師4人に
    囲まれて猛反対 されました。イラストやカットの絵を描いて上京資金を溜め、
    家出同然に東京に出て、アシスタントを しながら自分の作品を描きました

  • 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
    本宮ひろし先生

  • そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?
    いつも豪快にどんどん大きく成長していく主人公の姿

  • デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
    アパートの引越し代。4.5畳から6畳の部屋に移れました

  • デビューが決まった時の感想は?
    世界中がバラ色に見えました。お祝い事が一度に来た感じ

  • デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
    日本中に配布された雑誌を集めて、描き直したい心境でした

  • デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
    自己満足ではなく、読者に納得してもらう作品を描こう…と、
    気持ちが引き締まりました

  • デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
    原稿を描く時間以外は、毎日のようにしていました

  • その頃編集者との打ち合わせでためになった事は?
    高校しか出ていなかったので、やっぱり大学を出ている人は博識だなぁ…と。
    本もたくさん読んで ますし、まだ10代だった私とは人生経験も恋愛経験も違います

  • 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
    相手が男性だったので(20歳も年上の妻帯者でしたが…)出版社の会議室に篭って
    徹夜でネームや 下絵の直しをする時、時々異性を意識しました

  • 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
    今のようにパソコンや携帯メールもFAXも無かった時代なので、毎日のように
    出版社に通い、喫茶店で 担当さんの時間が空くのを待っていました

  • 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
    貧しかったので、いつも昼食か夕飯の時間に当たるよう呼び出してくれました。
    また「俺が一番最初の 読者なんだから、俺を感動させるようなものを描け」って
    言われ、最初の1〜2年間は担当さんのために描いていました

  • デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
    いました。同じ時期に同じ雑誌で描いていた2〜3人の仲間と、いつも励まし合い、
    助け合っていました

  • デビューの頃、マンガ家として成長していくために特に何かした事、勉強した事などはありますか?
    「私の絵はヘタクソなのに、どうしてデビューできたんですか?」って聞いたら
    「ものすごいヤル気の目を していたんで」と言われたので、期待を裏切っちゃ
    いけないと思い、漫画のネタになりそうな新聞や雑誌の 切抜きをスクラップブックに
    まとめたり、ぶ厚いネタ帳をいつも持ち歩いていました

  • デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだ事などはありますか?
    少年漫画ばかり読んでいたので、少女漫画でデビューしたのに、
    可愛い女の子の絵が描けなかったこと

  • デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
    10点

  • またその理由は?
    絵もストーリーも下手だったから

  • マンガ家としてデビューするために必要な事はなんだと思いますか?
    ヤル気と努力です。デビュー出来ても次の仕事が続かなかったら意味がありません。「雑草」のように、 踏まれても摘まれても新たな芽を出し続ける「根性」も必要です

  • これからマンガ家を目指す人達になにか一言
    これからは紙媒体だけでなく、ネットや携帯で配信したり、
    誰か(またはどこかの会社)がプロデュース したものを描いたり…と
    漫画を表現する世界も変わってきます。
    そのためにはまずパソコンを扱えるように なること。
    それから時代の流れに逆らわずに、流行を取り込んでいくこと…かな?
 父の仕事の関係で関西方面を転々としていた少女時代、楳図かずお・ 古賀新一のオカルト漫画に ハマり、早くも小学生の時に漫画家を目指す。

 小学生の頃から各学年誌(小学館)に似顔絵の投稿して掲載され、13歳の時から毎月同人誌を描く。
高校時代「なかよし」(講談社)の漫画スクールで『如月』が佳作を受賞。そして、高校時代に描いた 『女の子だもん』が、集英社「週刊マーガレット」に掲載され、デビュー。

 その後、集英社・小学館・講談社の少女漫画雑誌で描き続けていた時に、漫画家・大島やすいち氏 と 知人を通して知り合い、(高1の頃から名前だけは知っていたが…)結婚に至る。結婚生活で一時は 漫画から離れるが、子育ての負担が軽くなった折に活動を再開。かねてから興味を持っていたオカルトと アダルトの分野で、精力的に作品を発表する(月に10本:350〜400ページぐらい)。現在、笠倉出版 「家庭サスペンス」、宙出版・ぶんか社の実話系雑誌 他、多方面にて連載・掲載中。


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