【きむらひろき先生への30の質問】
- デビューはいつ頃ですか?
1991年。21歳の時です
- デビュー作のタイトルは?
『Jack&Chibi』という4コマ漫画の連載でした
- デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
Jack's Barという酒場のジャック店長が、小さな怪獣のチビと妙な仲間達と共に
変な毎日を送る、ブラックでシュールで時々ほのぼのな4コマ形式漫画
- デビュー作でもっとも描きたかった事は?
おかしなキャラクターと容赦のないギャグ
- デビューした雑誌は?
学習研究社の「CAIN」という雑誌でした
- どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
元々、学研の「NORA」という雑誌に持ち込みをしてたんですが、今度姉妹誌を
創刊するからそこでデビューを目指さないか、と言われ、読み切りストーリー漫画の
ネームを切っていました。それでデビューの予定だったんですが、偶然、通っていた
専門学校での課題の、変なキャラが沢山出てくる作品を担当氏に見られ
「今やってるネームは置いといて、こういうキャラで4コマ描いてみない?」
…それがきっかけで、デビュー作4コマがいきなり連載となりました。
漫画投稿で賞を貰ってデビュー、というのではありません
- デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
投稿し始めてから、という意味なら6年くらい
- またそれは何作目ぐらいでしたか?
投稿作だけで数えると、7作目くらい…?
- その頃の本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
デザイン専門学校の教務で助手をしてました
- その頃は本気でマンガ家を目指していましたか?
はい
- もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
何かしら絵に関する世界で働きたい、と考えたと思います
- マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
普通に喜んでくれてた…かな?
- 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
一人に絞るの難しいんですが…大野安之先生を
- そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?
自分らしさが作品に溢れ出てたところです
- デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
生活費になったと思います
- デビューが決まった時の感想は?
勿論嬉しかったですが、本当に?本当に?と、かなり半信半疑でした
- デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
現実になってようやく安心した、という気分でした
- デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
読者を意識した漫画の描き方、というのが、なんとなくジワジワ解ってきた、
ということでしょうか
- デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
割と頻繁だった気はします。ネタの大雑把な相談をして、ネームが出来たら見せて、
リテイクが出たら直してまた見せて…という風に
- その頃編集者との打ち合わせでためになった事は?
何でもためになってたと思います
- 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
ネームを目の前で読んで貰っている間、緊張と手持ち無沙汰が混ざって
いたたまれなくなる、という事。当時はまだ、先にネームをFAXして読んでおいて貰う、
という事をしなかったので…
- 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
大抵は編集部にお邪魔しました
- 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
デビューの頃より少し後になってからですが、漫画のネームを描いて打ち合わせに行くと、
担当さんが「私、この漫画を世界で一番最初に読めるって事が凄く嬉しいんです!」と
言って下さった事。言われた自分も凄く嬉しかったです
- デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
いました。専門学校の同級生とか、同じ雑誌でデビューした作家さんとか
- デビューの頃、マンガ家として成長していくために特に何かした事、勉強した事などはありますか?
純粋な漫画以外の絵の仕事も、アテがあれば何でもやってました。学習雑誌の
カット描きや、ミニコミ誌用のキャラクターデザインとか…。生活の為もありましたが、
自分の出来る事が「漫画だけ」になるのは危機感があって、色々やった方が良いかなと
思ったんですね
- デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだ事などはありますか?
自分は4コマでデビューしたので、このままずっと4コマ作家で終わるんだろうか?
ストーリー漫画を描ける機会はあるだろうか?とか悩んだ時期はありました
- デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
60点くらい
- またその理由は?
とにかく絵が下手で、作画が荒い所が-50点。でもキャラクターの持ってるパワーとか、
今だと遠慮して描かないようなネタを描く、怖れ知らずな部分は今も見習いたいので
+10点。それで60点
- マンガ家としてデビューするために必要な事はなんだと思いますか?
自分から行動すること
- これからマンガ家を目指す人達になにか一言
私は漫画の投稿で大きな賞を獲った事は一度もなく、たまたま雑誌の創刊に
巡り会う事で、デビューからそのまま連載仕事も頂きました。これを「運が良いだけ」と
言う人も居ますが、私は「自ら動いて受けとめた運」だと思ってます。運が落ちてくる
場所に、頑張って走って行くかは自分次第。がんばりましょう
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11991年、学研「CAIN」の『JACK&Chibi』で、いきなり連載デビュー。
以後、同誌や講談社「コミックボンボン」、ポプラ社「プレコミックブンブン」などで作品を発表し続ける。近作ではポプラ社「月刊コミックブンブン」の『コミック版 かいけつゾロリの眠りの森の姫』が単行本で発売中。
漫画の執筆だけではなく、イラストやゲームのキャラクターデザイン、漫画学校の講師など幅広く活動中。
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