プロとして活躍しているマンガ家さんたちもかつては新人さんだった(あたりまえだけど)。新人のマンガ家さんにとってデビューは良きにつけ悪しきにつけ、忘れられないターニング・ポイント。このコーナーでは、マンガ家さんのデビューの頃の話を質問形式で語ってもらいます。
【第73回目のゲスト/きむらひろき】
【きむらひろき先生への30の質問】
  • デビューはいつ頃ですか?
    1991年。21歳の時です

  • デビュー作のタイトルは?
    『Jack&Chibi』という4コマ漫画の連載でした

  • デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
    Jack's Barという酒場のジャック店長が、小さな怪獣のチビと妙な仲間達と共に
    変な毎日を送る、ブラックでシュールで時々ほのぼのな4コマ形式漫画

  • デビュー作でもっとも描きたかった事は?
    おかしなキャラクターと容赦のないギャグ

  • デビューした雑誌は?
    学習研究社の「CAIN」という雑誌でした

  • どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
    元々、学研の「NORA」という雑誌に持ち込みをしてたんですが、今度姉妹誌を
    創刊するからそこでデビューを目指さないか、と言われ、読み切りストーリー漫画の
    ネームを切っていました。それでデビューの予定だったんですが、偶然、通っていた
    専門学校での課題の、変なキャラが沢山出てくる作品を担当氏に見られ
    「今やってるネームは置いといて、こういうキャラで4コマ描いてみない?」
    …それがきっかけで、デビュー作4コマがいきなり連載となりました。
    漫画投稿で
    賞を貰ってデビュー、というのではありません

  • デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
    投稿し始めてから、という意味なら6年くらい

  • またそれは何作目ぐらいでしたか?
    投稿作だけで数えると、7作目くらい…?

  • その頃の本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
    デザイン専門学校の教務で助手をしてました

  • その頃は本気でマンガ家を目指していましたか?
    はい

  • もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
    何かしら絵に関する世界で働きたい、と考えたと思います

  • マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
    普通に喜んでくれてた…かな?

  • 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
    一人に絞るの難しいんですが…大野安之先生を

  • そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?
    自分らしさが作品に溢れ出てたところです

  • デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
    生活費になったと思います

  • デビューが決まった時の感想は?
    勿論嬉しかったですが、本当に?本当に?と、かなり半信半疑でした

  • デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
    現実になってようやく安心した、という気分でした

  • デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
    読者を意識した漫画の描き方、というのが、なんとなくジワジワ解ってきた、
    という
    ことでしょうか

  • デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
    割と頻繁だった気はします。ネタの大雑把な相談をして、ネームが出来たら見せて、
    リテイクが出たら直してまた見せて…という風に

  • その頃編集者との打ち合わせでためになった事は?
    何でもためになってたと思います

  • 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
    ネームを目の前で読んで貰っている間、緊張と手持ち無沙汰が混ざって
    いたたまれなくなる、という事。当時はまだ、先にネームをFAXして読んでおいて貰う、
    という事をしなかったので…

  • 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
    大抵は編集部にお邪魔しました

  • 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
    デビューの頃より少し後になってからですが、漫画のネームを描いて打ち合わせに行くと、
    担当さんが「私、この漫画を世界で一番最初に読めるって事が凄く嬉しいんです!」と
    言って下さった事。言われた自分も凄く嬉しかったです

  • デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
    いました。専門学校の同級生とか、同じ雑誌でデビューした作家さんとか

  • デビューの頃、マンガ家として成長していくために特に何かした事、勉強した事などはありますか?
    純粋な漫画以外の絵の仕事も、アテがあれば何でもやってました。学習雑誌の
    カット描きや、ミニコミ誌用のキャラクターデザインとか…。生活の為もありましたが、
    自分の出来る事が「漫画だけ」になるのは危機感があって、色々やった方が良いかなと
    思ったんですね

  • デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだ事などはありますか?
    自分は4コマでデビューしたので、このままずっと4コマ作家で終わるんだろうか?
    ストーリー漫画を描ける機会はあるだろうか?とか悩んだ時期はありました

  • デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
    60点くらい

  • またその理由は?
    とにかく絵が下手で、作画が荒い所が-50点。でもキャラクターの持ってるパワーとか、
    今だと遠慮して描かないようなネタを描く、怖れ知らずな部分は今も見習いたいので
    +10点。それで60点

  • マンガ家としてデビューするために必要な事はなんだと思いますか?
    自分から行動すること

  • これからマンガ家を目指す人達になにか一言
    私は漫画の投稿で大きな賞を獲った事は一度もなく、たまたま雑誌の創刊に
    巡り会う事で、デビューからそのまま連載仕事も頂きました。これを「運が良いだけ」と
    言う人も居ますが、私は「自ら動いて受けとめた運」だと思ってます。運が落ちてくる
    場所に、頑張って走って行くかは自分次第。がんばりましょう
  11991年、学研「CAIN」の『JACK&Chibi』で、いきなり連載デビュー。

 以後、同誌や講談社「コミックボンボン」、ポプラ社「プレコミックブンブン」などで作品を発表し続ける。近作ではポプラ社「月刊コミックブンブン」の『コミック版 かいけつゾロリの眠りの森の姫』が単行本で発売中。

 漫画の執筆だけではなく、イラストやゲームのキャラクターデザイン、漫画学校の講師など幅広く活動中


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