プロとして活躍しているマンガ家さんたちもかつては新人さんだった(あたりまえだけど)。新人のマンガ家さんにとってデビューは良きにつけ悪しきにつけ、忘れられないターニング・ポイント。このコーナーでは、マンガ家さんのデビューの頃の話を質問形式で語ってもらいます。
【第77回目のゲスト/未浩】
【未浩先生への30の質問】
  • デビューはいつ頃ですか?
    一応1990年がデビューということで…

  • デビュー作のタイトルは?
    『脇道』『消える』
    の2本の短編です

  • デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
    『脇道』女があるタクシーに乗車する。
    運転手を急かす女…
    怪しい運転手が選んだ脇道ヘ入ると…そこは異世界の道だった。
    あっという間に目的地へ…しかし、その脇道を通ったために、
    美しかった女の姿は醜い老婆と変貌していた。

    『消える』家族、社会から見放され全てを失った男が、
    自らの身体さえも消えていることに気づく、
    男は透明になった身体を使って復讐を目論むが、
    身体の全てが消えた時…その男の存在そのものも消えてしまった。


  • デビュー作でもっとも描きたかった事は?
    日常に潜む不条理な恐怖…ってとこですかね

  • デビューした雑誌は?
    月刊アフタヌーン」まだ中とじの薄い時期でした

  • どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
    四季賞冬のコンテスト佳作入選です

  • デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
    本格的には約3年くらいでしょうか

  • またそれは何作目ぐらいでしたか?
    二作目です

  • その頃の本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
    建築パース事務所に勤めていました

  • その頃は本気でマンガ家を目指していましたか?
    もちろん、めざしていました。
    小学生の頃から漫画家になると思っていました。
    (なんの根拠のなく…)


  • もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
    まぁ…そのまま、建築パースやイラストの仕事ですかね

  • マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
    「あら、そう?よかったわね」って感じですね

  • 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
    あえて言うなら…手塚治虫先生、大友克洋先生、安彦良和先生などですかね。
    目標というか…お手本ですね。
    影響を受けた漫画家となると…数えきれませんね

  • そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?
    いろんな意味での漫画の上手さでしょうか

  • デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
    原案担当の同級生と山分けでしたが…漫画に必要な道具を買ったと思います

  • デビューが決まった時の感想は?
    うれしかったです。
    原案を書いてくれた友人を尊敬しました

  • デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
    これでプロの仲間入りだぁ〜

  • デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
    デビュー前は自分の描きたいものだけ描ければ…と思っていましたが、
    デビュー後は編集者や読者の求められることにも対応できないといけないんだなぁ…
    と変りました


  • デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
    月に2〜3回は編集部に行ってましたかね

  • その頃編集者との打ち合わせでためになった事は?
    いいものを描くと喜んでくれることですかね

  • 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
    いいアイデアが出ない時はお互い気まずいですよね

  • 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
    編集部に通ってました

  • 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
    半年間短編漫画の連載をさせてもらってたんですが…
    私はその頃バイクで事故をおこして、
    ちょうどいいとばかりに連載も打ち切られてしまいました。
    退院後(半年は経っていたと思う)
    編集部に行ったら担当編集者さんが…
    少年マガジンの編集に変っていました。
    しばらくそこで連載のチャレンジをしましたが…
    結局、叶いませんでした


  • デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
    いません…祝賞会で話した程度なら…
    その後、活躍めざましい…カネコアツシ氏、南Q太さんらがいました。

    神尾葉子さんとは小学4〜5年生の時、同じクラスでした。
    あの頃から漫画が上手でしたが…
    まさか、あんなに有名な漫画家さんになっていたとは…
    20才くらいに催した同級会でびっくりしたのを憶えてます

  • デビューの頃、マンガ家として成長していくために特に何かした事、勉強した事などはありますか?
    その頃ホラービデオはかなり観ました。
    レンタルで週20本くらいは借りていたかな…

  • デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだ事などはありますか?
    短編漫画の連載が終って…その後、一般誌で掲載すらできなかったこと、
    あらためて漫画家でいることの難しさを知りました


  • デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
    70点くらいかな

  • またその理由は?
    賞が取れたことの評価と友人の原案に対する評価…50点
    自分の構成、絵に対しては…20点


  • マンガ家としてデビューするために必要な事はなんだと思いますか?
    漫画家になれると信じること…作品を描き続ける信念

  • これからマンガ家を目指す人達になにか一言
    どんな世界でも生きることは大変です。
    でも、自分が好きな世界なら辛くても、
    努力できます…我慢できます。
    私も未熟者ですが…
    やがては目標とされる漫画家になりたいと思っています。
    そう、なれると信じることが大切だと思います

  1967.1/18東京生まれ 。
 「アフタヌーン」講談社 第16回 '90冬の四季賞コンテスト佳作。
短編ホラーマンガ『モダンストーリー』でアフタヌーン掲載デビュー。 (その後、成人漫画家として約7年間ほど、 別ネームで出筆、単行本7冊出版。)
 2007年にホラー漫画家として、 「あなたが体験した怖い話」ぶんか社に掲載。 現在、「実際にあった怖い話」大都社 「読者投稿心霊体験」少年画報社に掲載中。

HP [みひろじ]
http://www.mihiroji.com/

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