プロとして活躍しているマンガ家さんたちもかつては新人さんだった(あたりまえだけど)。新人のマンガ家さんにとってデビューは良きにつけ悪しきにつけ、忘れられないターニング・ポイント。このコーナーでは、マンガ家さんのデビューの頃の話を質問形式で語ってもらいます。
【第29回目のゲスト/水野トビオ先生】
【水野トビオ先生への30の質問】
  • デビューはいつ頃ですか?
    1988年

  • デビュー作のタイトルは?
    『失業率は急上昇中』

  • デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
    ブラブラしている若者が職業安定所へ行ってみる話

  • デビュー作でもっとも描きたかった事は?
    モラトリアムの葛藤と希望

  • デビューした雑誌は?
    ヤングマガジン

  • どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
    ヤングマガジン月間新人漫画賞

  • デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
    1年くらい

  • またそれは何作目ぐらいでしたか?
    3作目

  • その頃の本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
    寅さんに「労働者の諸君!」と言われそうな、
    従業員4人の印刷工場。

    この仕事を見つけるまでの過程が投稿作に反映されてます

  • その頃は本気でマンガ家を目指していましたか?
    目指していませんでした

  • もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
    2ヵ月くらい先までしかイメージできませんでした

  • マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
    喜んで近所に言いふらしていたのが嫌でした

  • 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
    望月峯太郎さんです

  • そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?
    連載時に絵が荒れる回が時々あって、そんな所にシビレてました

  • デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
    たしか車のローン

  • デビューが決まった時の感想は?
    いきなり週刊連載まで決まったので、ちょっと待ってくれ…
    という感じでした。これをやらないと賞金の50万円が
    もらえなくなると思っていました

  • デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
    自分は好きだけど、他に面白いと思う人がいるだろうか

  • デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
    若干質問とズレますが、漫画を描いている事は秘密にしていたので、
    その間、友人からの誘いを断り続け、アイツは最近おかしいと
    言われていたので、デビューした事によって漫画を描いている事と、
    車の改造とか今どこの組が勢いがあるとか、
    本当は俺、全然興味ないという事をカミングアウトできた

  • デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
    週1回くらい

  • その頃編集者との打ち合わせでためになった事は?
    編集者以前にサラリーマンという生き方に、
    そこで初めて触れさせてもらった気がします


  • 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
    僕が23歳で担当が24歳。
    数々のトンチンカンな激論を交わしました。

    しかしあのような濃い関わり方は、お互いもうないというか、
    出来ないと思います

  • 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
    電話か居酒屋など

  • 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
    (地元にいた)当時まだ家庭用FAXが普及しておらず、
    ネームがズレ込んだ場合、担当が休日でも編集部へ行かなくては
    ならず、それだけで申し訳ないのですが、
    そんなパターンで深夜に電話で打ち合わせとなったある時、
    妙に担当のテンションが低いのでネームが面白くなかったのかと
    聞いたところ、実は車で編集部へ来る途中に犬をはねてしまい、
    数分後にその犬が死んでしまったとの事。
    僕も責任を感じて、犬の冥福を祈りながらのしんみりとした
    打ち合わせとなったのを覚えています

  • デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
    18の質問での友人は地元の友人で、それとは別の高校の友人1人と
    ゲームセンターで知り合った友人1人が、同時期漫画家になりました。
    ただデビュー以前は彼らにもマンガを描いているのは秘密でした

  • デビューの頃、マンガ家として成長していくために特に何かした事、勉強した事などはありますか?
    スキルアップみたいな発想を最高にダサいと思っていたので、
    表現の幅が狭いのなんの

  • デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだ事などはありますか?
    二度と描けないモノを毎回描きたかったので、
    毎回もうダメだと思ってました

  • デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
    90点

  • またその理由は?
    面白いから

  • マンガ家としてデビューするために必要な事はなんだと思いますか?
    少なくとも1回は漫画を描かないとね。
    そんでダメだった時また描くかどうか

  • これからマンガ家を目指す人達になにか一言
    自分も精進して、なるべく長く漫画家でいたいと思っているので、
    いつか機会があったら酒でも飲みましょう
  1966年静岡県生まれ。
 1988年ヤングマガジン月間新人賞で大賞受賞後、1989年より受賞作『WORKINGCLASS(失業率は急上昇)』で人気を得る。そのとぼけたキャラクターの絵柄の魅力と笑いのセンスを買われ、1992年には史村翔先生原作のお笑い競馬アクション
『パッパカパー』を連載開始、読者だけでなく原作者史村翔先生のハートをぐぐっとつかむことになる。(後に、この作品は映像化もされた)
 以後、1997年には再び史村翔原作の『ラフストーリー』、さらに2000年にはヤングマガジンアッパーズで三たび(!)史村翔原作の『フーセン』を連載。(ちなみに、史村翔先生が3度以上連載コンビを組んだ相手は、あの池上遼一先生と水野トビオの二人だけけ!!である)
 現在は、「パチスロミリオンキング」で『スロプロ始めました』、「パチスロであった本当にスゴイ話」で『パチスロ貧乏バトル』、「パチスロ攻略7」で『攻略7的パチスロライターへの道!』を連載中。


【水野トビオ先生
コミックスリスト】
サーチ:
Amazon.co.jpアソシエイト

30の質問箱のトップに戻る