プロとして活躍しているマンガ家さんたちもかつては新人さんだった(あたりまえだけど)。新人のマンガ家さんにとってデビューは良きにつけ悪しきにつけ、忘れられないターニング・ポイント。このコーナーでは、マンガ家さんのデビューの頃の話を質問形式で語ってもらいます。
【第33回目のゲスト/森元さとる先生】
【森元さとる先生への30の質問】
  • デビューはいつ頃ですか?
    初掲載は23歳(以下デビュー1)
    ギャラを貰った初仕事は26歳(以下デビュー2)

  • デビュー作のタイトルは?
    デビュー1→『アイアンが征く!』
    デビュー2→『史上最高の投手は誰か?』


  • デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
    デビュー1→筋肉男のギャグ4コマ
    デビュー2→黒人投手サチェル・ペイジの半生

  • デビュー作でもっとも描きたかった事は?
    デビュー1→勢いで笑わせる
    デビュー2→実力はあれど黒人ゆえの悲哀

  • デビューした雑誌は?
    デビュー1・2ともに月刊少年マガジン

  • どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
    デビュー1→月刊少年マガジン新人賞(奨励賞)受賞した時に、たまたまページが空き、その穴埋め的に
    デビュー2→月刊少年マガジンの連続企画モノの第一弾として、白羽の矢を立ててもらった

  • デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
    デビュー1→丸1年 デビュー2→4年くらい

  • またそれは何作目ぐらいでしたか?
    デビュー1→原稿に描いたもので4作目くらい
    デビュー2→同じく7〜8作目くらい

  • その頃の本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
    デビュー1→米屋でアルバイト
    デビュー2→漫画家アシスタント

  • その頃は本気でマンガ家を目指していましたか?
    勿論。米屋のバイトも上京資金稼ぎのためでしたので

  • もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
    全く考えた事もないです

  • マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
    喜んでくれたと思います

  • 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
    水島新司先生

  • そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?
    画面の“迫力”です

  • デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
    デビュー1→これといった思い出に残る使い方はしてません。知らぬ間に無くなってたのでは
    ビュー2→すでに結婚してたので、リアルに生活費!!


  • デビューが決まった時の感想は?
    デビュー1→晴天の霹靂、棚からボタ餅、さぁ〜上京だ!‥‥要はノー天気でした
    デビュー2→喜びもあったが、まず安堵感。上京後も鳴かず飛ばずの上、婚約中だったので

  • デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
    デビュー1→えっ、ホンマに? ラッキー! この場合、ギャラは出るのかな?(笑)
    デビュー2→とりあえず1つ結果が出せたぁ‥‥(シミジミと)

  • デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
    全く無いです。そこまで考えられる程の仕事はこなしてませんでしたから

  • デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
    最低月に2回は行くようにしてたと思います

  • その頃編集者との打ち合わせでためになった事は?
    当時は何を言われても、右耳から左耳に抜けてましたので、何も無いです。でも今になって「ああ、こういう事が言いたかったのか。」と思い出す事は多く、特によく言われたのが
    「話を組み立てるな、キャラクターを動かせ!」
    今も一番の留意点です


  • 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
    当時の担当さんとはウマが合い過ぎて、仕事と仕事以外とを割り切った付き合いや切り替えが難しかった事です

  • 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
    こちらから出版社に出向いて

  • 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
    当時の担当がこの文章を扱っており、下手な事を書くと互いの傷に塩をぬり合う事になりそうなので、あえてここはノーコメント!(笑)

  • デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
    同じような立場の仲間は結構いました。“良きライバル”はいません。こっちが一方的に敵視した“憎きライバル”はいましたが(笑)

  • デビューの頃、マンガ家として成長していくために特に何かした事、勉強した事などはありますか?
    マンガのヒントやネタの引き出しを増やそうととにかく本・映画・ビデオを見まくりました。それまでそういった趣味は無かったのですが、ヒマでしたので何でも出来ました

  • デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだ事などはありますか?
    悩む程、大した漫画家じゃないです。今も昔も

  • デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
    90点

  • またその理由は?
    絵は構成など確かに未熟そのものですが、そういう小細工無しにのびのびと描いてるから。
    今の自分に欠け始めてる面でもあるからある意味、当時の自分が羨ましい

  • マンガ家としてデビューするために必要な事はなんだと思いますか?
    とにかくあきらめない事でしょう。
    あきらめたら全てがそこで終わりますから。
    絶対にあきらめなければ、何をすればいいのかも考えるでしょうし、頑張れるはずです

  • これからマンガ家を目指す人達になにか一言
    チャンスは必ず誰にでもあります。
    あきらめずに頑張って下さい。
    でもデビューはあくまでスタート。
    ゴールじゃないので勘違いはしないように
  1968年2月28日生まれ。兵庫県神戸市出身。
 大学卒業時にマンガ家を志し、1年間のアルバイト生活で 上京資金を稼いだ後、4コマ漫画が月刊少年マガジンの新人漫画賞に ひっかかると同時に、掲載という幸運を機に上京。
 その3年後、月刊少年マガジンのスポーツ・ノンフィクション シリーズの第1作目を任され、本格的なマンガ家デビューを 果たす。同シリーズの4作目、7作目も執筆。
 以降、同誌増刊号「GREAT」でオリジナル作品を連載後、 同本誌でスポーツ・ノンフィクションを中心に執筆。
他に新聞イラスト、プロレス誌、企業内向けの漫画などの 仕事も経験あり。
 現在は、月刊少年マガジン増刊号「GREAT」で、 古い推理小説を紹介する『mystery classics』を、不定期連載中。 他にも企業情報誌の4コマ漫画や、携帯マンガサイトにも執筆中。


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