プロとして活躍しているマンガ家さんたちもかつては新人さんだった(あたりまえだけど)。新人のマンガ家さんにとってデビューは良きにつけ悪しきにつけ、忘れられないターニング・ポイント。このコーナーでは、マンガ家さんのデビューの頃の話を質問形式で語ってもらいます。
【第4回目のゲスト/永野のりこ先生】
【永野先生への30の質問】
  • デビューはいつ頃ですか?
    1985年の初夏頃です
  • デビュー作のタイトルは?
    『Sci-Fiもーしょん!』(さいふぁいもーしょん)です
  • デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
    コミュニケーションをとろうとハリキレばハリキルほどドロ沼にハマっていくアレ
  • デビュー作でもっとも描きたかったことは?
    こんなかんじでSFとかイロイロ世界に対してLOVE〜!!(?)
  • デビューした雑誌は?
    徳間書店さんの今は亡き伝説の(?)『月刊少年キャプテン』さん
  • どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
    持ち込み→コンテのアドバイスをいただき→描いといたら突如、代原でデビュー→2作目で第1回の賞を
  • デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
    エンピツまんがで20+X年、ペンで描いたのでは4年ぐらい。(何やってたんだか‥‥)
  • またそれは何作目ぐらいでしたか?
    エンピツまんがでは無数、ペンのでは4本目ぐらい。(っとにもう‥‥)
  • そのころの本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
    乳飲み子を抱えた主婦
  • そのころは本気でマンガ家を目指していましたか?
    というか、なんとか子育てしながら収入を得る道を模索してました
  • もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
    子育てしながら収入を得られる仕事
  • マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
    「夜コソコソしてると思ったらそんなことを‥‥」
  • 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
    「目標」というか小学生の頃から吾妻ひでお先生が大好きです
  • そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?
    哲学的な先輩が出てきたりして哲学的なところ(?)
  • デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
    激安自転車(水色)を買いました。後年盗まれ、ときおり「今頃あの子は金髪の少女に扱われてボル●グラードの並木道を‥‥」とか勝手に想像
  • デビューが決まった時の感想は?
    本当に突如でびっくりとりあえずアワテました
  • デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
    印刷印刷印刷されてるよ────ん!!
  • デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
    「自分のような者が描いたものでも印刷されるってことがこの世には本当にある」 と思うようになった
  • デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
    何か独特な新人賞を設けられる予定ということでコンテを御覧いただいたりしました
  • その頃編集者との打ち合わせでためになったことは?
    毎回目からウロコがなだれ落ちていました
  • 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
    子どもをオヤジに見てもらっていたのですが、そのうち子連れでいくのがあたりまえに
  • 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
    出版社さんの編集部で見ていただいて、子供TV雑誌のふろくをいただいたり楽しかったです
  • 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
    当時編集部のおねえさんにやさしくしていただき感動→その方が現担当氏の配偶者さんだというこの長き縁。ってゆーかこの業界せまい?
  • デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
    隠れてコソコソ描いておりましたので‥‥
  • デビューの頃、マンガ家として成長していくために特になにかしたこと、勉強したことなどはありますか?
    漫画家さんの自伝のたぐいを読みまくった記憶が
  • デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだことなどはありますか?
    紙に描いたモンがおゼゼに変わる喜びにそれどころじゃ‥‥
  • デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
    技術5点 やる気、気合い120点 
    総評「ツメコミすぎ。なんでも描きゃい〜ってもんじゃない!」
  • またその理由は?
    ペンで描きはじめるのが遅すぎ! っつーか未だにシロート丸出し!!
  • マンガ家としてデビューするために必要なことはなんだと思いますか?
    誰にも頼まれなくても、せっつかれなくても、なんだか描いて、描きあげてしまう性質。ソレを他人様の御目にさらす勇気。紙に描いたモンがおゼゼに!?  ムヒョーッ!!という感謝と喜び。
  • これからマンガ家を目指す人達になにか一言
    漫画とサシで1対1で向かい合っての「好きだ!」というキモチを失わない限りなんてゆ〜か‥‥「大丈夫」です。オイラもがんばります。
 「前例が無い」と、あきれられるようなコトをこなさなければ道は拓けない! という言い訳のもとに子連れ持ち込みを敢行。多くの方々のお助けやドサクサやらのお陰様のもとに『Sci-Fiもーしょん!』(月刊少年キャプテン/徳間書店)でデビュー。
 以降、マッドサイエンティスト少年・歩野(てくの)のディスコミュニケーション・ラブコメの名作『みすて?・ないでデイジー』。永野のりこの名を世間に知らしめた、すげーコマッタ生徒のすげこまくんと女教師・松沢先生のキケンでアレな学園スラップスティック『GOD SAVE THEすげこまくん!』など、コドクな心にひびくLOVEのこもった作品を発表、有り難き読者の方々のお支えのもと現在に至る。
 他に『ちいさなのんちゃん』『電波オデッセイ』『STAND☆BYみ〜ちぇ!!』『トモルの星』などを執筆。現在は『おハナ*帝国王女』(みこすり半劇場別館/ぶんか社)を好評連載中。近著『トモルの星』(講談社刊)『みんな以外のうたR』(ぶんか社刊)は大営業中。「なにとぞよろしくお願いいたします〜」とのこと。
 持ち込みのとき連れて回った娘さんも、来年めでたく成人式です。


【永野のりこ先生
コミックスリスト】
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