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プロとして活躍しているマンガ家さんたちもかつては新人さんだった(あたりまえだけど)。新人のマンガ家さんにとってデビューは良きにつけ悪しきにつけ、忘れられないターニング・ポイント。このコーナーでは、マンガ家さんのデビューの頃の話を質問形式で語ってもらいます。
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【第8回目のゲスト/陽気婢先生】
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【陽気婢先生への30の質問】
- デビューはいつ頃ですか?
1988年の暮れ
- デビュー作のタイトルは?
『君は甲子園』…っっ
- デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
野球部のマネージャーの女の子がエースの男子とHする話
- デビュー作でもっとも描きたかったことは?
おバカなH
- デビューした雑誌は?
『ペンギンクラブ 山賊版』vol.2
- どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
持ち込み
- デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
ノートに鉛筆…で10年位。投稿用原稿用紙にペンで4年位
- またそれは何作目ぐらいでしたか?
2〜4頁のショートを含めて7〜8本目
- そのころの本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
学生
- そのころは本気でマンガ家を目指していましたか?
実は就職活動で某大手出版社の入社試験を受けるため上京した時に、描きかけの原稿を大学の先輩宅に泊めてもらって完成させ、 持ち込みました(I田さん、その節はお世話になりました)。…まあ、なれたらいいなあとは思ってましたが、力試しと言うか
- もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
その出版社は二次試験で落ち、いったん内定もらってた某銀行に就職しました。で、一年間「二足のワラジ」をして、イケるかなあ…と退職して専業漫画家になったんですが、マンガがなくても銀行の仕事は(精神的にキツくて)長続きはしなかったでしょうね。…たぶん他の仕事を探したりしてたんじゃないかな
- マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
エッチな漫画だったので、作品を見られないよう「大阪では売ってへんねん」とかいい加減なこと言ってる僕でしたが「好きなことして稼げるんやったらええやんか」と皆、理解のある態度でした
- 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
当時ふくやまけいこさん、永野のりこさん、坂口尚さんが、僕の中では特別な存在でした
- そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?
作風、絵柄、ストーリー、テーマ…作品に滲んでいる人間性スベテ
- デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
とりあえず貯金しましたけど…就職して上京した時に、寮の部屋に暖房機具が何もなくて寒かったので、コタツを買うことができました
- デビューが決まった時の感想は?
よかった〜
- デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
あはは載ってる〜
- デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
H漫画でデビューする前にメジャー誌の編集さんにネームを見てもらった時期があったんですが…少年誌を目指してたその頃は、自分が何を描きたいのか分からなくなることがしばしばでした。割り切ってHなのを描くことで、正直な自分を表現できるようになったのは確かで、それが今につながってると思います
- デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
ネームが出来ると、会社の帰りに編集部に寄ったり。…2ヶ月に一回程度?
- その頃編集者との打ち合わせでためになったことは?
「地方の作家さんのほうが、情報に飢えてるせいか面白いの描いたりするよね〜」とか、経験的に思ってることを色々教えてくれたのが印象に残ってます
- 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
会社がキツかったので、漫画の仕事は楽しくて苦労なんて感じませんでした
- 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
会社を辞めてしばらくしてFAXを買ってからは、連載中は殆どFAXでやりとりしてたように思います
- 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
吉祥寺とか新宿の喫茶店で打ち合わせすると、まわりの席にも漫画家+編集者らしき組み合わせが結構居るのがわかって面白かった
- デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
同人誌もやってたので、幸運なことにすぐにいっぱい出来ました
- デビューの頃、マンガ家として成長していくために特になにかしたこと、勉強したことなどはありますか?
漫研時代からデビューして以降今までずっと、アドバイスしてくれる人には事欠かなかったので…さらにアシスタント君も研究熱心なので色々教えてくれます。感謝感謝
- デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだことなどはありますか?
ちょうど一冊分くらい作品が溜まった頃、「有害図書」が叩かれる風潮になり単行本の発売が延期されて嫌だなあと思った
- デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
…大負けに負けて36点(ギリギリ赤点免除)
- またその理由は?
変で未熟な漫画でしたが、「つかみ」としてはオッケーだったのでは…と思うので
- マンガ家としてデビューするために必要なことはなんだと思いますか?
まず自分を知るOR感じることですね
- これからマンガ家を目指す人達になにか一言
ととにかく実力の世界ですが、社会経験を重ねたり、編集さんに出会ったりすることで成長の機会が得られるかもしれません。幸運を祈ります
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大阪府出身。大学時代より同人活動開始。
大学卒業後上京し、銀行に勤務の傍ら、美少女系商業誌に寄稿。
やがて銀行をやめ、美少女系商業誌に連載を開始し、以降専業マンガ家となる。この時期、美少女系商業誌のほかに少年誌(講談社「マガジンスペシャル」)に宗ひろし名義で読み切り作品を数本発表(単行本未収録)。
以後、美少女系商業誌を主に活躍の舞台とし、繊細な絵のタッチと巧みな心理描写、斬新な発想で人気を博する。代表作はワニマガジン社の「COMIC快楽天」でのシリーズ連載『えっちーず』。ラブコメ、SF、サスペンス等さまざまなスタイルで描く映像的エロティシズムは陽気婢ワールドの原点といえる。
現在、「月刊サンデーGX」(小学館)で『薬多江町へようこそ』を連載するほか、「COMIC快楽天』(ワニマガジン社)で読み切りを不定期掲載。
陽気婢氏のHP
「FREESTYLE YOUKIHI」アドレス
http://www.venus.dti.ne.jp/~youkihi/
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