【質問と解答】

Q:著作権等について質問です。書籍や画集、写真集として出版されているものの図像をそのまま模写して発表するのは著作権侵害等にあたると思います。けれど、ある写真集の図像と別の写真集あるいは著作権が発生すると思われる図像を組み合わせてアレンジして発表する、というのはどうなんでしょうか? 自分なりにアレンジしたのなら著作権云々の問題にはならないと思うのですが、アレンジしても元が人のものなら問題になってしまうのか、細かい事がよく分かりません。著作権に関する本を読んでみても小難しくて余計にこんがらがってしまいました…。

A:著作権に関しては具体的な事例でないとはっきりした判断はできません。また、私のような編集者はもちろん、法律の専門家でも判断に迷う事例も多々あります。以下はそういうことを踏まえて読んでください。
 例えばAという夕日の水面への照り返しが美しい入り江の写真とBという船の写真を組み合わせて絵を描いたとします。Bの船の写真は、写真自体には著作権があるものの船には著作権がありませんから、船腹に書かれた船名と汚れや陰影をアレンジすれば使用して大丈夫でしょう。ですが、Aの写真のほうは風景自体には著作権はありませんが、その構図がその写真家しか撮り得ない独特のものであればBの写真と組み合わせようがNGです。ですが、誰が撮影しても同じ構図の写真が容易に撮れるものであればOKです。構図自体にオリジナリティが認められないからです。つまり、その写真のオリジナリティが夕日の水面への照り返しの美しさを捉えたことにあるならば、その部分を改変して真昼の入り江の風景にしてしまえば誰でも撮影できる構図になって著作権侵害を主張できないはずです。さて、Bの写真が船ではなくファッションショーの写真であり、それをアレンジして手前の丘に立つヒロインを描いた場合はどうでしょうか。モデルのポーズを捉えた写真の構図をそのままトレースしたとすると、 撮影したカメラマンの著作権を侵害したことになり、それがヒロインの顔にすげ替えられているとしてもNGです。さらにモデルの衣装をそのまま描いたとすると、ファッションデザイナーの著作権も侵害していることになります。なかなか難しいとは思いますが、その写真の著作権の本質がどこにあるのかを考えれば、何がNGで何がOKなのか大体見えてくるでしょう。なお、法律的にはどう解釈されるのかはわかりませんが、OKの場合でも著作権侵害行為を証明できな いというだけで、他人の写真を無断使用していることには変わりはないと思います。ですから、このカットはこの写真をこうアレンジして使用したなどということをあまり公言しないほうがいいでしょう。


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