【質問と解答】

Q:漫画家を諦めた方は、どんな理由で諦めているのでしょうか。私は物心ついた時から毎日絵を描くのが好きで、将来は絵や漫画を描く仕事に就きたいと思っていました。しかし、ここ数年その意欲が無くなり、モチベーションを上げようと色々するも効果は出ません。絵をあまり描かなくなり、最近は一ヵ月に数回、義務感で落描きをする程度です。他の方のイラストや漫画を見るのは好きなので、よく見ているのですが、時々自分と他人を比べてしまい焦りを 感じます。絵を描くのが嫌いになった訳では無く、今でも好きではあります。でも他の事より優先して絵を描きたい、という事は無くなっていると思います。それに私は元々目が良い方ではなく(乾き目や遠視などで疲れやすかったり)、最近は何かを描いたりする事自体に消極的になっています。別にそこまで好きじゃなかった、という事でさっぱり諦めてしまえばいいのですが、自分には他に趣味や好きな事も特になく、どうしたらいいのか分かりません。
 描きたくないのなら描かなければいい、と自分でも思いますが、どうしても描かなければならない気がしてしまいます。(今更止められないという変な意地かもしれません)他の方々はどうやってプロを目指すのを止めたり、漫画を描かなくなる方は、どの境で描かなくなったりするのでしょうか。夢を目指せる方は、何を支えに目指し続けられるのでしょうか。


A:漫画家になるのを諦めるのは、最初からさほど強い願望ではなかった方を除けば、大抵は経済的事情や家庭的事情によるものです。生活のために就職したり、出産・育児、病気の両親の介護などで漫画を描く時間がなくなるわけです。最初のうちは合間を縫って作品を描いたりもしますが、だんだんそうした時間は疲労回復のための休息にあてられるようになり、ブランクが開くと創作へのモチベーションが低下していき、ついにはペンを握らなくなります。
 あなたの場合、そういった外的要因によるケースではないようですから、単なる甘えとしか聞こえません。義務で漫画を描くわけではないのですから、描きたくなければやめればいいのです。そして、描きたい意欲が出たときに趣味で描けばいいのではないですか? 厳しい言い方になりますが、生半可な覚悟で、日々切磋琢磨してプロを目指している他の漫画家志望者に互してデビューできるほどこの世界は甘くはありません。まして、プロとして生き残っていくのはデビューの何倍も大変なのですから。
 本気でプロになる気持ちがあるなら、アシスタントに応募してプロの現場に飛び込んでみましょう。連載作家である先生はもちろん、周囲のアシスタントたちはデビューや連載を目指している人たちばかりですから、否応なく刺激を受けるはずです。


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