【質問と解答】

Q:私の場合、ペン入れのほうが下描きよりも遅い理由が背景だと思うのですが、作画の工程としてはフィーリングでラフ(2分ほど)→消失点をきっちりとり、 グリッドを引いてからきれいめなラフ→ペン入れという感じです。背景にも影の部分に流線(というのでしょうか…?)を使ったりと、何かと手間をかけてしまいます。一人で何ページも描くにあたってはあまり現実的な描き方でないのではと最近思っているのですが、どう思われますでしょうか…? またアニメーターさんは、パースをきっちりとってしまうと、正確な分、少しでもずれると視覚的におかしい画面になってしまうため、あまり厳密にパースをとらずに視覚的に安定して見えるようにしてると聞いたのですが、漫画の分野 ではきっちり消失点をとって描いたほうがいいのでしょうか?

A:きっちりパースをとって背景を描くかどうかはあなたの画風と画力次第ですが、一般論を言うと新人のうちから楽をしていると上達はしません。10年単位で習熟すれば、消失点を取らなくても自然と正確なパースをとれるようになるかと思います。見開きの魚眼レンズ風イラストや正確なだ円をフリーハンドで描けるプロの作家さんもいます。
 なお、パースをきっちりとって描くとなぜか不自然に見えるという方は、構図の取り方を間違っているのです。そのあたりのことを知りたければ、アフタヌーン新書『10年メシが食える漫画家入門 悪魔の脚本魔法のデッサン』(樹崎聖著)を読んでみてください。タイトルには「入門書」とありますが、現役漫画家である樹崎氏の専門学校での講義内容をまとめたものだけあって、非常に実用的な内容の技法書です。

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