【質問と解答】

Q:2009年11月11日の回答を見ての質問です。

 1)受賞さえすれば誰でもアシスタントを紹介してもらえるんでしょうか?

 2)以前、ある漫画家がアシスタントの募集をしていまして、未経験でも丁寧に指導する、と募集項目に明記されていました。自分はある程度は効果線もひけると思いますし、パースも基礎的なものはとれます。 さらに未経験OKとあったので、その先生あてに指定されたカットを送りました(内容は先生の漫画の指定されたコマの模写、効果線等でした)。ですが、結局連絡は来ず、採用されませんでした。確かに技術は未熟ですが、未経験者募集でしたし、その後もその先生は募集を続けてたので、どうやら人が埋まったわけでもなさそうです。
 結局未経験オーケーとうたってても、ある程度の技術がないとやとってもらえないんでしょうが、その境界線がわかりません。そんなにも自分の技術がひどかったのでしょうか。

A:1)新人賞で何らかの賞を受賞していれば、一定レベル以上の力量があるはずですから、漫画家の先生に紹介はできます。しかし、採用するかどうかは先生個人の判断に委ねられます。

 2)アシスタントを採用するかどうかの基準は先生によって異なりますので、採用されるかされないかの明確な境界線を編集部や編集者が示すことはできません。ちなみに「未経験可」でいう経験とはアシスタント経験のことで、漫画経験という意味ではありません。ですから、技術はあるに越したことはないわけで、この程度の技術を持った応募者ならいっぱいいるからもう少し待ってみようと採用を見合わせるか、このくらいの技術があればあとは現場で覚えてもらおうかと採用するかは、他のスタッフや応募者のレベル次第です。また、同じ先生でもスタジオの状況によって採用基準は変わってきます。アシスタントはいつ連載が決まって独立するかわからないので、人手が足りていても常時募集している先生も大勢いるのです。そういうスタジオは、今は人手が足りないから多少技術がなくても雇って教えようという時と、当面の人手は足りているけれど技術がある人がいたらキープしておこうというくらいの時があります。ですから、時間をおいて再度応募してみてもいいかもしれません。もちろん、その間、技術も上げておきましょう。
 もっとも、先生によっては本当に初心者レベルでもやる気があればOKという方もいます。そういう方が応募書類で見るのは仕事の丁寧さと原稿を大切に扱っているかどうかです。スクリーントーンのはみ出しはないか、線のにじみはないか、背景は細かいところまでちゃんと定規を使って描いているか、よく注意しましょう。先生が応募書類で見たいのはあなたの画風ではなく、アシスタントとしてどういう背景を描いてくれるのかですから、フリーハンドの多用やトーンのずらし貼りはNGです。自分の画風を見てもらいたければ、別に作品のコピーを同封しておきましょう。そして、原稿用紙を汚したり端を折ったりして雑に扱ったりしていないかも意識しましょう。欄外にペンの試し描きをするのも嫌う先生もいます。また、応募書類が折れ曲がらないようちゃんと厚紙や段ボールで補強してあるか、もしくはクッション封筒で送っているかもポイントです。自分の原稿を大切に扱っていない人は、アシスタントとして信用されません。

その他のご質問は、フォームからお願いします。