【質問と解答】

Q:今年29歳になる志望者です。東京に住んでいた頃に投稿したのは、病気や自堕落のために、最初と最後の頃の2回だけでした。田舎に帰ってから青年誌に3回投稿しましたが、全てボツでした。恥ずかしながら持ち込み歴も受賞歴もなしです。挑戦した回数が極端に少ないとは言え、29歳で地方在住、受賞歴なしというのは致命的なのでしょうか。地方在住でも可能性に差はないのは分かっているのですが、どうしても出版社の沢山ある東京と離れた田舎に住んでいることが、もどかしくて仕方ありません。
 現在家業の店で働いているのですが、お金を貯めて再上京することを考えています。家族は再上京を認めてくれています。東京でバイトをしながら、今度は心を入れ替えて持ち込みも積極的にやろうと思っています。上京は翌々年の春を予定していますが、それまでに田舎から投稿して、出来れば受賞したいと思っています。画力がこの頃向上してきたこともあってこういうことを考えたのですが、客観的に見て無謀でしょうか?




A:今、29歳で再来年に上京する計画ですよね? 新人賞で有力な賞を受賞しているか、少なくともアシスタント先が確定しているかでないと、正直あまりお勧めはできないです。年齢的に仕送りはないのでしょう? 東京での家賃と食費をかせぐためのバイトとなるとかなり時間を拘束されますから、アシスタントとの兼業は難しいですし、漫画を描く時間も大きく削られます。家業を手伝っているとはいえ、実家住まいのほうがまだ時間の自由はきくのではないでしょうか。上京すればなんとかなるという程度の甘い考えでは、すぐにだらだらと数年過ぎ去ってしまいます。新人賞の選考には地方だろうと東京だろうと関係ありませんし、そもそも担当がついていなければ打ち合わせに支障を来すということもありません。東京在住ならば持ち込みには有利ですが、学生ではないのですから地元でバイトできるなら持ち込み上京の費用くらいならひと月で貯まるはずです。
 本当にやる気があるのでしたら、再来年までに死にものぐるいで新人賞受賞という結果を出し、デビューへの道筋をつけてから堂々と上京すべきだと考えます。それでも、不退転の覚悟で上京するというのならば、29歳の大人の男の決意としてその考えを尊重します。


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