【質問と解答】

Q:つい最近、読み切りが初めて載ったばかりの新人です。自分の漫画に対しての評価が知りたくて、つい某巨大掲示板などでの評価を見てしまうのですが、かなりきつい否定的意見が書き込まれていて、とても凹みました。
 友達に言ったら、「そういうサイトは作家は見ないほうがいい」と言われたのですが、他の作家さんたちは見ないようにしていたりするのでしょうか。それとも、そこから意見を上手く取り入れて(きつくて辛い意見でも我慢して)次へ 生かすべきでしょうか。




A:掲示板の評価は単なる「情報」に過ぎず、その情報を手に入れるのも入れないのも、受け入れるのも無視するのも、取捨選択は個人に委ねられています。ネット上の自分の作品への評価をまめにチェックする漫画家さんもいますし、まったく見ないようにしている方も大勢います。私の考えを言わせてもらうと、あなたのように否定的意見に左右されやすい方は、お友達の言うようにそういったサイトは見ないほうが賢明です。
 巨大掲示板とは言っても、ひとつひとつのスレに書き込んでいる人間の数は、よほど流行の人気スレでもない限り、たかだか数人から数十人です。あなたの作品に否定的意見を述べているのは、さらにその数パーセントと考えると、実際に否定的意見を述べているのは 3〜4人程度だったりしませんか? また、ネットでは肯定的意見よりも否定的意見のほうが自己顕示欲を満たしやすい上、掲示板はさらに匿名性のもとにその場限りの無責任な発言をしがちですから、否定的意見のほうが目につくのは当然です。
 ですから、あなたの作品が掲載された雑誌が実売10万部だとして、10万人の読者のうち、たった3〜4人の無責任な発言に左右されることが、本当に読者の意見を取り入れることになるでしょうか。ネット上の評価をまめにチェックする漫画家さんというのは、そういった実情もわかった上で批評や発言を分析し、採用すべきところは参考にし無視すべきものは無視するという冷静な取捨選択ができる方なのです。もっとも、クリエイターの多くは繊細なので、作品批判や悪意のある発言に触れると心を乱され、場合によっては心が折れてスランプに陥ってしまうことが多々ありますので(実例をいくつも知っています)、よほど心を強く持てる方以外は自分では見ないようにしてください。それでもネットでの反響を知りたいというならば、担当編集さんに代わりにチェックしてもらい、そのフィルターを通して聞くのが良いかと思います。

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