【質問と解答】

Q:1)以前自分の作品を見ていただいた編集の方の一人に「作品が自己完結している」「登場キャラたちの中だけでケリがついており、見ているものは共感、参加できない」と言われました。この作品は、ベテランのプロの漫画家の先生にも内容がいいと評価を受けており、そのような指摘もまったく受けていなかったので、非常に戸惑っています。
 一般的に自己完結している作品とはどのような内容のものを言うのでしょうか? また、そうならないように心がけるべき点などがあれば教えてください。

 2)パソコンで作品を作成しているのですが、背景の看板の文字やキャラの服などフォントをそのまま、もしくは加工して使っている箇所があります。無料の投稿サイトなどで作品を発表する場合、フォントの著作権などはどうなるのでしょうか? 問題があるなら全て手描きで描き直そうと思っているのですが。




A:1)他の方の質問の回答でも述べましたが、持ち込み等で編集者の批評やアドバイスの内容に疑問があれば、その場でその方に聞くようにしてください。特に今回の事例ではプロの漫画家が別の評価を下していることもありますし、個人によって評価が分かれる作品かもしれません。従って、私があなたの作品を読んでその編集者と同じ評価を下すかどうかもわからないのです。その場で編集者の詳細な解説を聞いてあなたが納得できるならば、それはあなたにとって意義ある助言といえますし、そうでないなら感性を共にできる別の編集者と組んだほうが有益ということになります。
 その編集者がどういう意図で言ったのかはわかりませんが、いちおう一般的に作品が自己完結しているとはどういうことか述べておくと、キャラクターの行動や思考、導き出す結論等に、読者に対する説得力が欠けているということです。
 感情導線という言い方をよくしますが、キャラクターの行動や思考に向かう感情の流れをわかりやすく読者を誘導してやることで、キャラクター理解や共感が生まれるわけです。しかし、それが上手く機能していないと読者はキャラクターから置いてきぼりをくらい、その行動をフィルターを通して眺めるような感覚に陥ります。よく、絵が上手くて展開も派手、キャラクターや題材も流行ものを採り入れて上手く作ってあるけれど、その場限りの面白さにとどまり、後にまったく印象に残らない作品を読んだことがありませんか? その場限りでも面白く感じるならまだいいほうで、最悪、主人公が何をしようと「それがどうした」としか受け止められなくなります。そうならないためには、キャラ(特に主人公)の行動や感情に説得力を持たせられるよう、ネームを切るときに読者目線を意識した客観的な目を養うようにしましょう。

2)説明書の使用条件を読むか、それぞれのフォントの著作権を持っている会社に問い合わせてください。

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