【質問と解答】

Q:地方で再デビューを目指している40歳の男です。
1)昨年始めに青年誌で受賞へとこぎ着けることができ、掲載確定(誌面発表済み)となりましたが、1年近く経った現在も掲載される見込みはありません。自分より後の受賞作は掲載されています。ページ数が52Pと長かったり受賞直後に3.11の震災があったりと掲載が厳しい事情も分かりますが、再デビューを目指していた自分としてはとても落胆しました。ちなみにページ数については前後編に分ける案も出してみましたが、担当さんが確認してみると言ったきり何も進展はありませんでした。今では下の賞をもらっていたほうが落胆度合いが少なかったんじゃないかと思う始末です。表現の規制という理由以外で掲載確定のものが載らない事はよくあるのでしょうか?

2)その雑誌で9か月ほど短期連載に向けネームのやりとりをして3話分のネームを作り会議にかけたところ、そこそこの評価を頂きましたが、すぐに連載は難しく読み切りをまず描いてほしいと言われました。その後ネームを送ったのですが、以降連絡が来なくなりました。連絡は電話2回とメール1回。あと年賀状も送ってみましたが返事は来ませんでした。以前から2、3回催促しないとネームの返事をもらえない状態でしたが、これって最初から使う気があまり無かったという事なんでしょうか? 他にも不信感を感じた事があり、結果的にそこの編集部とは疎遠になって4か月が経ちます。現在は出張添削会で出会った他の編集部と掲載に向けてやりとりしていますが、以前の雑誌にもう少ししがみ付いていたほうが良かったのでしょうか?

3)自分の渾身の作品なので少しでも多くの人に見てもらいたいのですが、掲載確定なのに1年も未掲載の作品を自分のHP上に載せる事は可能でしょうか? 今までのこのコーナーでの質問は掲載確定ではない作品についてのご回答だったと認識してますので似たような質問と思いつつ書きました。ちなみにデータでの投稿なので原稿を回収する必要はありません。直接電話でやりとりすると事を荒げてしまいそうなので、できれば編集部にはメールでの確認にしたいのですが不義理でしょうか? 質問が多くて申し訳ありませんがよろしくお願いします。
※補足
 以前、ある大手出版社の青年誌でデビューし、読み切り2本とパチンコ漫画の連載を2本ほどしていました。現在は北海道に住んでいます。受賞した賞は準入選、賞金は30万です。
 不信感を感じた理由についてですが、以前、賞の募集告知のページで自分はページ4分の1ほどのカットを描いたのですが、その後、自分より下位の受賞者達が1P漫画を与えられていた事があった為です。結局、自分にその話は来ませんでした。この事以来、地方にいる疎外感のようなものが付き纏っています。




A:1)雑誌で掲載確定と発表しているのに掲載しないというのは、一種の契約不履行でしょう。そんなことが頻繁にあるはずがありません。その件に関しては強く抗議して当然でしょう(声を荒げるという意味ではありません)。

 2)はっきり言って、担当に恵まれなかったと思います。質問の内容を読んでいると、編集部というより担当のやる気のなさがすべての諸元のようです。編集者として自分の担当作家の作品の掲載に尽力すべきですから。ただ、あなたのほうももっと電話連絡したほうがよかったのではないでしょうか。以前連載していた時の担当さんは向こうのほうからまめに連絡してきたのかもしれませんが、相手のモチベーションの度合いが異なればそれに合わせて対応するしかありません。もしくは担当替えを申し出る覚悟が必要です。いずれにせよ、40歳という年齢を考えると再デビューにはかなり困難が伴いますから、せっかく掴んだチャンスを無にせず多少意に沿わないことがあってもその雑誌で頑張ったほうがよかったと考えます。

 3)この件に関しては編集部と話し合ってクリアにしておく必要があります。担当さんはあまりやる気がない人のようですから、メールだと返事が返ってこない可能性が高いです。かといってHP掲載を強行してしまうと余計に事を荒立てることになります。詳細はメールでやりとりするにしても、まずはメールではなく電話で話したほうがいいでしょう。担当さんとの話し合いがうまくいかないようなら、編集長か副編集長と話をしてください。この時、決して感情的になって声を荒げたりしないこと。こいつ面倒くさいやつだ、危ないやつだという先入観を持たれてしまうと、交渉事はうまくいきませんから。話の運び次第では、延びていた作品掲載や担当交代のチャンスになるかもしれません。

「補足」について)「補足」のあなたが不信感を持った理由についてですが、編集部に他意はないと思います。新人賞の募集告知ページのカットというのは、告知ページ担当の編集者が頼みやすい人に頼むのが通例です。直近の新人賞受賞者にはまず声をかけますが、それ以外は自分の担当している新人か編集部内の親しい編集者に描き手を紹介してもらう、という程度の選択基準でしかありません。スペースの大きさに関しても、単にある時期からページ構成を変えたというだけで、作家の評価によってスペースの大きさを変えているわけではないでしょう。ですからこの点に関してはあなたの気にしすぎで、あまり物事を悪いほうに考えないようにしましょう。


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