【質問と解答】

Q:絵の歪みについての悩みです。デビュー済みの新人なのですが、私の絵──特に真正面の人物の顔の歪みがひどいのです。いつも青のシャーペンで大まかなマルバッテン、目の位置を描いてからシャーペンで顔を書きます。その時点では自分で大して歪んでいるようには見えないのですが、完成後、裏返してすかしてみるとビックリするくらい歪んでいるのです。なんというか右に顔のパーツが寄っていて、左右の頬の角度、左右目の大きさも形も違っています。口も真一文字に結んだものを描いたつもりなのにどちらか斜めに傾いています。何度も裏から修正し、また表から書き直し‥‥を続けるのですが、やっぱり完璧には左右対称になっていません。最近はそもそものマルバッテンの線が傾いているのに気付き、裏から定規でミリ単位の升目を作ってそこに収まるよう書いたりしていますが、やはり裏返してみるとどこか歪んでいるんです。それに何度も何度もバランスを整えることだけに集中していると、硬い表情の、自分の絵じゃないような絵になってしまいます。雑誌に載っている他の方の漫画の真正面の顔を裏から透かしても、私には全く歪んでいるようには見えません。ごくたまに裏から透かすと「これはちょっと歪んでいるな」という絵はありますが、そんなに気になるほどではありません。自分の絵なので、過剰に気になっているということもあるのでしょうか。絵を見てもらわないとやっぱりアドバイスもしてもらいにくいかもしれませんが、歪みを直す練習方法で効果的なものや、絵の歪みに悩まれていた漫画家さんのお話などあれば教えていただきたいのです。




A:デビューしているのでしたら当然担当さんがついているはずですから、その方に相談すべきことです。私からはちゃんとアタリをとるくらいしかアドバイスができません。それはすでにやっているようなので、それ以上はアタリの取り方に問題がないか確認するしかありませんが、それは担当にしかできません。そもそもあなたの絵柄を見ていない以上、直さななくてはならない歪みがあるのかどうかもわからないのです。絵の魅力は形が正確だったりデッサンが整っていることとイコールではありません。いびつであっても魅力的な絵は存在します。「何度も何度もバランスを整えることだけに集中していると、硬い表情の、自分の絵じゃないような絵になってしまう」とあなたが言っているとおり、歪みを直そうとして角を矯めて牛を殺すようなことになりはしないかという危惧があります。ですから、絵の悩みは担当さんに相談し、直す必要があるならその指導に従ってください。

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