【質問と解答】

Q:4つ質問があります。

1)少年誌の新人賞の場合、話の内容、画力、キャラクター、優先順位をつけるとしたら何が一番重要になりますか?
明確な理由と、できれば二番と三番も教えてください。

2)新人賞に投稿するマンガの効果は、スクリーントーンより手書きの方が評価がいいというのは本当ですか?

3)今、新人賞に出そうと下描きまで進んだ原稿があります。その作品は45Pで見開きが3か所あります。(計6P)
多いでしょうか?

4)自分は中2です。まだ実績がなく、担当もいません。今、人気少年誌で連載している先生方が漫画を描き初めた頃にくらべて、僕は遅れてますか? 漫画を描いて2年半(最初の1年程は落書きレベル)くらいです。何歳までのデビューが望ましいですか?




A:1)当然ながら「全部」です。まあ、強いて言うならということでお答えします。全編集部の意見を代弁しているわけではなく、あくまで私自身の考えですが、一番は「画力」です。どんな感動的なストーリーであっても、それを伝える画力がなければ読者の心に伝わりません。また、読みたいと思わせる絵力がなければ、読者は読んですらくれません。「絵」は漫画を読ませる上での最初のハードルなのです。ですから、単に画力というより「絵の魅力」も含めた絵力が最重要です。2番目は「キャラクター」です。漫画だけではなく他の創作物においてもそうですが、読者の心に訴えかけるのは結局のところ理屈ではなく感情なのです。対象年齢が上がるにつれて理屈で感情を補う割合が増しますが、少年漫画や少女漫画では「かっこいい」「カワイイ」「すげえ」「燃える」「キレイ」といった理屈抜きの感情が一番強くアピールします。そして、設定だストーリーの整合性だとかより、そういった感情に訴えてくるキャラクターが作品のイメージを創り上げます。そして、最後に「ストーリー」ですが、もちろんストーリーも大事です。ですが、少年誌の投稿者の平均年齢が低いこともあり、ストーリーの奥行きはほとんど望めません。新人賞の投稿時点では、将来性の片鱗が見えればいいというくらいで、キャラクターを生かせるストーリー創りができているかどうかが重要ポイントになります。
 もう一度言いますが、以上は最初に述べたように「強いて言うならば」の回答です。ここでは画力を一番に推しましたが、他の要素をないがしろにしていいわけではありません。少なくとも新人賞上位入賞クラスにならないと、3要素の重要度の順位づけをする資格はないと思ってください。

 2)そんなことはありません。スクリーントーンを効果的に使えているか、というのも評価の対象です。

 3)いいえ。割合としてはちょうどいいと思いますよ。

 4)むしろ早いほうです。20代前半でのデビューが平均ですが、中2の今から頑張っていれば17〜18歳くらいにはデビューできそうですね。