【質問と解答】

Q:画力について2つ質問です。

1)漫画を描いていると、よく「デッサン力」がいると言われます。結局の話、デッサン力を上げることは画力にとってとてもいい影響を与えますか? もし、そうならデッサン力を上げるコツやヒントを教えてください。

2)よく学校の友達に「どんな絵を描いてもアンタ(自分)が描いたって分かる」と言われました。これは独特な絵という評価をされたと考えてます。漫画(新人賞)において独特の絵はプラス評価ですか? マイナス評価ですか?




A:判1)デッサン力は、練習してもすぐに漫画の絵柄がよくなったり線がきれいになったりするものではないので、初心者には効果がわかりにくいかもしれません。デッサン力が上がると、物の形をとらえて表現する能力が向上し、人物の骨格や間接・筋肉の動きを踏まえた自然なポーズをすばやく描くことができるようになります。つまり、自分が頭で考えた画像を思った通りに(自然に)絵に描きおこすためのセンスが養われると考えてください。また、デッサン力の有る無しは、後々作画スピードにも大きく影響してきます。
 デッサン力を簡単に上げるような便利なコツはありません。日々の練習の積み重ねあるのみです。週刊連載している知り合いの人気漫画家さんが言っていたことですが、画力を上げるのに近道なしです。一つアドバイスするとしたら、人間にしても動物にしても乗り物にしても、その構造と動きの仕組みの知識があると上達が早くなります。人体の場合は美術解剖学の書籍が役立ちます。以前は美術関連書としてやや高価な本しかありませんでしたが、今は漫画技法関連書でも美術解剖学を扱っている物が出ており、比較的安価で手に入るようになってきています。

 2)絵柄のオリジナリティーというのは多かれ少なかれ誰しもあるもので、新人賞でも2回目3回目と複数回投稿してきた方は名前は覚えてなくとも原稿を見れば、「ああ、この人また送ってきてくれたんだ」とわかります。ただ、そういったレベルを超えて、いわゆる「癖のある絵」というものがあります。これは人によって好き嫌いがはっきり分かれます。癖があっても好きな人が多い絵柄だとアリなのですが、嫌いな人が多数を占める絵柄だと商業誌ではやっていけないので、絵柄を変えていく必要があります。これば実際に絵を見てみないと判断できませんし、編集部ごとに許容できる絵柄の振り幅も変わってくるので、回答しようがありません。可能ならば、志望する編集部に持ち込みをして判断を仰ぐのがいいでしょう。