【質問と解答】

Q:青年漫画誌で担当付きです。作品を作るうえで「悪役」的なキャラがうまく作れません。私としては漫画の幅を広げたいし、苦手意識はなくしたいと思っているので模索してはいるのですが、担当さんに「どうすれば悪役キャラがうまく描けるのか悩んでいます」と相談をしてみたところ「それはあなたが超えなきゃならない壁でしょ」という答えしかかえってきませんでした。「それくらい自分で考えて」ということを言いたいのでしょうが、壁であることを自覚して、その壁を超えたいからこその相談だったのですが……。そういったアドバイスを担当編集者に求めるのは甘えであり、間違いなのでしょうか。編集部からは「無理に悪役を描かせなくてもよいのでは」という意見が出ていたそうなのですが、担当さんは「(悪役は)描かなくていいですよ」と言ったかと思えば、先の「超えなきゃならない壁ですから」と言ったりと、その時々で意見が二転三転されるため、正直なところ困惑しています。担当さん以外の、ほかの編集さんを知らないので、教えて頂けると助かります。




A:あなたがどんなジャンルの漫画を描いているのか、どんな作風なのかわかりませんが、編集部から「無理に悪役を描かせなくてもよいのでは」という意見が出ているからには、「悪役」は作品に必ずしも必要な要素ではないのですね? でしたら、私なら不得意なものに無理にチャレンジさせるよりも、今のあなたの持ち味を生かした作品作りをしてもらいます。ただ、あなたと長い間一緒に作品作りをしてきた担当さんがあえて「悪役」作りにチャレンジさせようとするからにはそれなりの理由があるのでしょう。今の路線に行き詰まりを感じていて、魅力的な悪役を創ることであなたに殻を破ってほしいのかもしれません。であれば、具体的な指示をせずあえてあなたに自分で考えさせようとするのもある程度納得がいきます。ただ、すでにその模索を重ねているのですから、少しヒントをもらってもいいのではないでしょうか。もう一度担当さんと、悪役は自分の作品に必要なのか、必要なら自分一人では殻を破れそうにないので何かヒントをもらえないだろうか、と話してみてください。