【質問と解答】

Q:自分は今十代で、約三年間程前からプロを目指し漫画を描いています。ご相談なのですが、ここ最近、三年間で一度もなかった程のレベルで自分の納得いく漫画が描けなくなってしまいました。漫画に対するやる気は減るどころか悔しさもあってますます増える一方なのですが、それに全く比例せず、自分の描く漫画描く漫画が全て面白くなく感じてしまい、実際面白くないのだと思います。過去描いてきた漫画に対しても、前は面白いと思っていたのに、全然面白くないと思うようになりました。 しかも、前は普通に何をせずとも頭に出てきた展開が全く出なくなり、今の自分には何を描いても面白くないのだろうとさえ感じてしまいます。どうしたら面白く描けるのか焦る一方で足掻けば足掻くほど泥沼にはまってしまっているかのような感覚です。この状態は一体何なのでしょうか。また、この状態を抜けるにはどうしたら良いのでしょうか。人に聞くものではないかもしれませんが、自分ではわからなくなってしまいました。回答、宜しくお願いします。




A:典型的なスランプですね。スランプ脱出法については様々な人が語っていますが、大別するとメンタル的な面では気持ちの切り替えのための方法であり、フィジカル的な面では基礎の復習や基本の反復練習のどちらかに分類されるようです。時間の経過が解決してくれるというのもありますが、週刊連載をしている漫画家だとスランプから脱出するのを悠長に待っていられません。ある漫画家さんから聞いたのですが、そういう時はどうするかというと、感性が上手く働かない分理詰めでストーリーを組み立てるのだそうです。ストーリー構成やドラマ作りの基本がしっかりしているからこそ、それができるのでしょうね。また、ネタが出てこない時は資料をその分たくさん読み込むとも言っていました。アイデア不足を知識で補完することで、スランプによる自信のなさを補えると聞きました。そうして、読者に自身のスランプを感じさせない間にスランプから立ち直るというのですから、つくづくプロというのはすごいものだと思います。あなたも脚本術や演出技法を基礎から勉強したり、資料を読み込んだりしてはいかがでしょうか。自分の自信の拠り所を見つけることこそスランプ脱出への早道です。