【質問と解答】

Q:1)雨の道路や水溜り、海などの表現の仕方が分かりません。色々な漫画を見て勉強するのですが難しくて、下書きからどのようにしてペンでああいった表現ができていくのか教えて欲しいです。

 2)ラフが汚く、そこからトレース台を使って下書きを描きおこすまでに時間がかかり過ぎてしまいます。なんというか、ラフの汚い線から下書きをする時点で大分絵のイメージが変わってしまい、ペンを入れると最初に頭で思い描いていたモノとは別のモノになってしまうんです。デッサン不足なのは承知ですが、ラフの時点で出来るだけ少なく綺麗な線で描きおこしペン入れをスムーズに行えるようになるにはどうしたらよいですか?




A:1)「ああいった表現」というのが、どういったものを指しているのかわかりません。水の表現は確かに難しいですが、表現の仕方は画風によって様々です。大きくは分けると3種類あります。ペン画風にペンタッチのみで表現する方法──これはペン画技法の美術書を探してみるといいかもしれません。ただし、この方法なら絵を見れば、技法を見ればだいたいわかります。次に、数種類のスクリーントーンを重ね貼りして、削りやホワイトで処理する方法。これは印刷物を見ただけでは手法がわからないかもしれません。学びたいならアシスタントに行ってください。最後はデジタル処理による表現です。アナログで描いている方も、デジタルならではの表現をしたい場合は当該のコマのみをデータで作成します。投稿原稿の場合は、データを出力してそのコマに貼ってください。

 2)あなたがラフと言っているのは、下描きの下描きみたいなものでしょうか? 作画の手順は人によって異なります。ネームからペン入れの線と全く同じ下描きの線を鉛筆で入れる方、やや大まかな下絵を太めの薄い青鉛筆で入れて当たりを付け、そこからいきなりペン入れする方、ラフな線を何本も重ね、そこから最前の線を見出してトレースでペン入れする方等々です。あなたの場合、3つ目のケースのラフな下絵から1つ目のケースのペン入れの線と同じ下絵を入れて、その上からペンでなぞるという手順ではないかと推察します。確かに時間がかかる描き方ではありますが、今の手順で描くことに慣れているのであれば、無理に変える必要はないと思います。熟練して自然に手順を省けるようになるのであればいいのですが、手順を省くことを急いで絵が荒れるほうがマイナスです。