【質問と解答】
Q:漫画の相談というより、法的にどうなのか問い合わせです。自分はBL漫画家で、友人には漫画家をしているとは話していますが、エロ作家なのでペンネームや作品については明かしていません。訳ありで作品を見せたくないと話すと不快に感じるかと思い、その友人には「会社の規約もあるので」とか言い訳をしています。さて、今回、その友人にネタを提供していただきました。友人は少し特殊な職業でしたので題材的に面白い漫画が描け、WEBコミに載りました。しかし、友人に詳しく取材したので、見れば私だとわかってしまいそうです。その場合、例えば、ネタを不快に感じた友人に「ポルノ作品にのせるとは聞いてなかった!」と訴えられたとして作家側が非を問われることはあるでしょうか? ちなみに、友人の本名をつかったわけでもなく、キャラは自分で考えたものです。作品を描くために、仕事内容や背景などの間取りを聞いたり、恋愛漫画ですので「どんな関係性が望ましいか」みたいなことは問いました。ネタを提供してもらうだけなら問題はないのかなとは思うのですが、いかがでしょうか?
A:商業漫画作品に使用する事前提で、友人として無償でネタを提供してもらったり仕事先のことを取材させてもらったということであれば基本的に問題ないと思いますが、実際にその場でのやりとり次第では多少問題が起こりうる可能性はあります。一般漫画の取材と思わせるよう誘導したかどうか、報酬を匂わせることを言ったかどうか、取材内容の再現度合いに制限を設けたかどうか等ですね。もちろん、この状況であなたの作品が友人になんらかの損害を与えたとしても訴えられることはまずないでしょうし、仮に訴えられたところで立証する手立てはないので賠償という事態にはならないと思われます。問題はそういった法的にどうのこうのということではなく、友人関係が破綻するかどうかということでしょう。あなたがBL漫画家であることを隠しているのは恥ずかしいからなのか友人の方が性的な媒体に対して潔癖症だからなのかはわかりませんが、友人関係を保ち続けたいのであれば、正直に話して今まで隠していたことを謝罪するか、一生秘匿するつもりで今後その方とは創作とは切り離した付き合いをするようにすべきではないでしょうか。