【質問と解答】
Q:二つお伺いしたいことがあります。
1)まだ投稿者段階ですが正社員(残業ありなどのハードワークでも)で働きながら担当さんと作品作りはできるものなのでしょうか? 私は現在未デビューの担当付き、加えて大学三年生です。もう就活も始まりかけており、私もセミナーなどに参加してみたりしています。私は地方に住んでおり、作画もアナログ、金銭的にも学費を出すので精一杯です。アシスタントをしたくとも、すぐにとはいきません。絵もまだまだです。また、仮にアシスタントの機会があるとしても在宅アシはしたくないです。人とのつながりがなさそうですし。ですので、アシスタントは現在選択肢にありません。文系で資格もないし、新卒で就職しないと将来大変なことになるだろうなと思います。でも折角担当付きまでいったのであきらめたくはありません。やり切りたいです。それで野たれ死んでしまったとしても後悔はしません。正社員になりたいのは将来的な意味だけでなく創作に活かせるのではないかというポジティブな思いもあるのですが、私の考えは甘いでしょうか? こんな中途半端な気持ちでプロになれる気もしません。編集者としての考えを教えていただけたらと思います。
2)担当さんのことになります。メールでやり取りをしているのですが、プロット段階までは三日ぐらいで返事をしてくれます。しかし、ネームになるとお返事が二週間後ぐらいになるのですが、これは普通のことでしょうか? 催促のメールには2〜3日後にはお返事をくれます。ネームになるとやはりじっくり読まれるのでしょうか? また、待っている期間に他の企画を送っても見る暇はないかなと個人的には思っているのですが、どんどん送ってもよいものなのでしょうか?
A:1)仕事先にもよりますが、働きながら漫画を描くというのは容易なことではありません。取材のために就職と言っていますが、新入社員採用に予算と労力をかけている会社側にしてみればたまったものではありませんし、中途半端な気持ちでは会社も漫画もうまくいかないでしょう。それに入社したてだと仕事で覚えなければならないことがたくさんありますし、新しい人間関係からくるストレスもありますので、平日はほとんど漫画を描けませんし、休日も平日の疲れを癒すので精一杯という状態になります。実際、有望な新人や投稿者が就職して全く漫画を描かなくなった例はたくさん見てきました。それでも1〜2年したら仕事のペースをつかんで漫画を描く余裕ができるかもしれませんが、その時はブランクによって漫画への情熱が冷めていたり、描いてもセンスが衰えていたりするものです。とはいえ、自分の人生設計は大切ですから安定した職に就くことを否定はしません。仕事に余裕ができたら趣味で漫画を描く人生もありだと思いますし、プロへの熱が冷めてなければ再投稿して受賞し連載を獲得したら脱サラという安全パイを抱えつつ夢を目指す道もあるでしょう。ただ、質問文どおり本気で漫画家の夢に向かって「やり切りたい」と考えるなら、上京してアシスタントをしながらプロを目指すのが一番の近道です。そのためには、残された学生時代はまだ1年ちょっとあるのですから、その間にデビューを目指してください。それを、就職するか、上京して漫画家一本でやっていくかの判断材料にしてはいかがでしょうか。
2)たんに時間がないのでネームを読むのが後回しになっているだけでしょう。2週間も待たず、今後はもっと早く催促してみてください。また、メールだけではなく、なるべく電話でやりとりしてもらえるようお願いしましょう。メールだと互いに一方通行なので細かいニュアンスが伝わらないこともありますし、気にかけてもらえる度合いも低くなります。