【質問と解答】

Q:文字について質問です。今描いている漫画が、数枚完成しているのですが、描いてから独白が入るところがかなり小さいということに気がつきました。アナログ派なので、今から修正するのは大変です。文字のサイズが小さいと落選しやすいですか? また振り仮名についてはどこまでつけるものでしょう? 特別な読みではなくても、例えば固有名詞や難しい常用漢字にも要りますか?(贔屓、とか逸れる、のような)


A:漫画においてはフキダシや独白のセリフも絵の一部だと考えてください。ですから、原稿を描く際には文字の大きさもちゃんと考えて描くようにしましょう。文字の大きさのイメージがわからない場合は、画材店などで写植スケール(級数表)を買ってきて、原稿の下絵を描くにあたって実際にフキダシにあててみましょう。商業誌の基本級数は20級(デジタルだと14Pt)もしくは18級(13Pt)で、総ルビの少年誌・少女誌だと行間2分アキ、パラルビ(初出の固有名詞や特殊な読み・難読漢字のみルビあり)の青年誌・レディース誌等だと行間4分アキとなります。「行間2分アキ」というのは行間が半字分、「行間4分アキ」とは行間が1/4字分開けるという意味です。投稿段階では文字の大きさは審査要素としては優先順位が低いので、それだけで落選させるようなことはありません。ただ、雑誌掲載する際には大事な要素となりますので、投稿段階から意識して文字の大きさの感覚を身につけておくようにしましょう。  振り仮名については初出の難読固有名詞と特殊な読み(「強敵」と書いて「とも」と読むとか)をさせたい時のみで大丈夫です。ただし、フキダシ文字は基本的にしゃべり言葉ですから、いたずらに漢字や難しい言い回しを多用するのは考えものです。普通の高校生の会話で「贔屓」や「逸れる」を漢字で書かれると違和感があります。もちろん、話しているのが学者だったり、衒学趣味や理屈屋のキャラだったり、演説や講演シーンなどであったら、また別です。キャラクターやシーンに合わせて言葉や表記を選ぶようにしてください。