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新人マンガ家相談室

【質問と解答】

Q:私は大手WEBコミサイトで、3年間TL漫画を描いていた新人です。担当さんは、下絵もみせて線画もすべて完成したのにすべてのバランスと線画すべてを直すという指示もあったぐらい厳しい方で、ネームの修正の指摘も納得のいくものでずいぶん鍛えていただき、おかげで他社からたくさんのオファーをいただくようになりました。ところが先日、担当が変更になりました。頼りすぎるくらいに信頼しきっていたため、突然その方と離れて作品を作ることになって、作品作りに自信が持てなくなってしまいました。新しい担当さんも真面目でとてもよい方で、ネームにちゃんと指摘をいただけますが、前の担当さんに比べると物足りなく思ってしまいます。「たぶんこのネームのままはだめだ。前の担当さんだったらこう指摘がはいるはず。相談したいけど、今はできないし‥‥」と悩んでしまうのです。新しい担当さんに相談しても、「変じゃないですよ! かえってこのままの方が雰囲気ありますから」と返されてしまいます。綺麗に話をまとめる力がほしいのですが、何かいい組み立て方とかはありますでしょうか? 私自身、ストーリーをまとめる能力に欠けていることを自覚していますし、主人公の気持ちのブレなどがなかなかなくせません。そうしたものは、やはりどんどん作品を仕上げることで、身につくものなのでしょうか?

A:前の担当さんとの仕事の相性がよかっただけに、新しい担当さんと同じようにいかないことにイラついているのではないでしょうか。しかし、長く付き合っていた担当さんと付き合い始めた担当さんとでは互いの理解度が違うのは当たり前です。新しい担当さんはあなたの漫画観を把握していないでしょうし、あなた自身も担当さんの考え方に対する理解が不足しているのではないでしょうか。また、あなた自身は新人と自称していますが、キャリアからいうともはや中堅と言っていいでしょう。それなりのキャリアを持つ人気作家を受け持ったばかりで、新担当さんにもまだ遠慮があるとも考えられます。ネームの打ち合わせで疑問や納得がいかないことがあればもっと食い下がり、ぶつかっていってください。そうしてコミュニケーションを深めることで信頼関係は生まれます。幸い、あなたは自作の問題点は認識しているわけですから、その解決法は新しい担当さんと共に考えていくようにしてください。正直なところ、新人の頃から手取り足取り指導してくれた前担当さんとは、時期的に離れてよかったと思います。このままだと、担当編集に依存して自分で壁を乗り越える方法を考えることを放棄してしまっていたかもしれません。巣立ちの時期だったと考えて、頭を切り替えて新担当さんとの関係を築く努力をしましょう。