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新人マンガ家相談室

【質問と解答】

Q:近頃、漫画に対する姿勢や考えが安定せず混乱しています。担当付き、未デビューの投稿者です。本格的に漫画家を目指してから約三年経ち、いくつか賞を頂くことができました。はじめの方は順調に上の賞へと登っていけたのですが、ここ一年ほど落選や同じような賞が続き進歩がありません。担当さんからも、「一皮剥けないとデビューは難しい」と言われてしまいました。スランプというほどでもないですが、壁に当たっているのだと思います。それも影響しているのだと思いますが、漫画家を目指す姿勢に変化が出てきました。今まで漫画家になりたいという気持ちは揺らぐことがなく、漫画家になりたい上での悩みが多かったのですが、最近は「デビュー出来たとしても、こんなところでつまずいている様ではこの先やっていく自信がない」「自分はそこまで漫画が好きではなかったのではないか」「こんなにきついなら、もうやめたほうがいいのでは(投稿段階程度でこんなにキツイ、などと考えるなんてやはりこの先やっていけないのでは)」などの悩みが多くなってきました。ならばそこまで好きではなかったのなら、辞めてしまえばいい、少し休めばいいという意見も聞きますが、上記のようなことを考えつつも「漫画家になるのを諦める」というのは、私の中で何よりも怖いもので、ズルズル目指している状況です。休もうにも、上達のためには描き続けることが何より大切と聞きますし、もうすぐ就活が始まるので、次の新人賞がラストチャンスです。最近では「こんなにいいネタなんだから、きっと今度こそ成果が出るはず。漫画を描くのは楽しい」「必ず漫画家になろう」と思っていても、数分後には「こんなネタではダメだ。そもそも自分は何が描きたかったのか」「漫画家になれるきがしなくなってきた」など、別の考えに至ってしまい、その繰り返しです。漫画から離れようにも、それが怖く、どちらにしろ漫画から逃げられず、大袈裟ですが呪縛のように感じられます。近頃授賞式に参加し良い刺激も受けたので、モチベーションは上がっているはずなのですが、常に相反する迷いがついて回ります。担当さんに相談しようにも、仕事上はうまくやれていますが、プライベートに関して相談できるような雰囲気ではありません。このような状態で就活前のラストチャンスと言っていい新人賞に臨めるのか不安です。デビューはしたいと思っていますが、こんな迷いのある自分が描いたものがデビューするほどの賞を取れるのか、と手が止まってしまいます。

A:質問文を読みましたが、漫画を描く上で壁にぶち当たっているのがそもそもの悩みの原因になっています。それまで投稿するたびに順調に上の賞を獲って進歩が目に見える結果として現れていたのに、落選や同じランクの賞しか獲れない状態が続いて、漫画家としての先行きに不安を覚えているのはよくわかります。まず、担当さんに相談してください。これはプライベートな悩みなどではありません。漫画家として今ぶち当たっている壁が何なのか、あなたがデビューするための課題は何なのか、という担当と作家が考えなければならない問題です。投稿段階で足踏み状態が続いている場合、単に個々の作品のネタやアイデアの問題ではなく、絵柄や画力が壁になっていることが多いです。次に可能性があるのはネームセンスでしょうか。担当編集がついて投稿歴もそこそこ長いようですから、ネームを切る技術はそれなりについていると思います。ですが、自分に引き出しが少ないとキャラの見せ方も会話もエピソードも幅の少ないテンプレになって、作品自体に個性が感じられないものになってしまいます。デビュー前で、ある程度キャリアのある方がぶつかる壁は大抵この二つのどちらか(もしくは両方)です。担当さんと分析して課題をはっきりさせた上で、それを越えることを目標にすれば結果は自ずとついてきます。ただ、次の新人賞までの短期間にクリアできる課題とは限りませんから、こちらはプライベートなことになりますが、就職のことも含めて相談したほうがいいでしょう。