【質問と解答】

Q:1)現在31歳で読み切りが何度か掲載された事がある程度なのですが、難病と言われる部類で進行性の病にかかってしまいました。現在A社とB社の2社に担当者がいるのですが、まだどちらにも病気の事について言えていません。特にA社の担当さんにはまだ発病していなかった頃に出会い、初めての打ち合わせの席で「健康だよね?」と聞かれていたので、その後発病しても言い出せず、入院していた病院から打ち合わせに向かったこともありました。進行性であり年齢のこともあるので、いつ漫画が描けなくなるかわかりません。連載をしているならまだしも、連載経験のない新人では、病気であると伝えれば切られてしまうのではないかと不安です。この場合正直に発病したことを伝えるべきでしょうか?

2)また、いつ描けなくなるかもわからないということで、少しでも何か作品を残しておきたいという気持が生まれました。A社で読み切りコンペがあった際、一度に二つ作品を提出したことがあります。そのうちの1つは掲載が決まりましたが、もうひとつはそれなりの評価をしていただきましたが完全な一話完結であること、連載に向いた作品ではないことを理由にお蔵入りとなりました。しかし、担当さんも私自身もそちらの駄目だったネームのほうが、話としては良かったと思っています。また、そのネームについてはB社の担当さんにその後見せた際も、同じ理由で掲載には至りませんでした。そこで、このネームを完全な投稿作として、A社、B社以外へ投稿したいと思っています。もし可能だったとして、ボツになったとはいえA社の担当さんと何度かネームをやりとりしたものなので、やはり了承を得る必要があるでしょうか?



A:1)難しい問題ですね。具体的な病名はわかりませんが、病気が進行すれば漫画が描けなくなるというのであれば、病気のことを打ち明けると編集部の対応が変わることは容易に予想されます。なぜなら、病気の進行の度合いにもよりますが、いつ描けなくなるかわからない状態では連載企画はできないですし、読み切りについてもそれが将来の連載を見込んでのものであれば別の作家に掲載枠を与えることになるでしょう。かといって、このまま病気のことを伏せておくのは編集部や担当編集さんに対して不実だろうと思います。担当さんとの信頼関係があるのであれば、打ち明けて今後のこと相談することをお勧めしますが、最終判断はあなたがしなければなりません。作品を残したいということであれば、何も商業誌にこだわる必要はなく、同人誌やWEBの投稿サイト・電子書籍販売といった手段もありますので、あまり思い詰めないでください。

2)義務ではありませんが、担当さんとネームのやり取りをして作った作品であれば他社に投稿する前にそのことを伝えておくのが筋ではないでしょうか。著作権法的にはあなた個人の作品ですが、人と人との信義の問題でしょう。